新着情報一覧

琉球大学医学部 眼科

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【2024 Taiwan Macula Society Spring Meeting 参加報告】

3月16日~17日に台湾・高雄で開催された2024 Taiwan Macula Society Spring Meetingで招待講演を行ってきました。那覇から台湾までは飛行機で1時間少しと日本本土に行くよりもずっと近く、沖縄在住の私にとってはとても有り難い立地です。台北には過去に何度か訪れてはいますが、今回訪問した高雄は半袖で過ごせるぐらい温暖で、美しく整備された港湾都市でした。

学会の内容はサージカル、メディカルの多岐にわたり、レベルの高いディスカッションが行われました。私はCSCの新しい病態と、現在国内で行っているAMD多施設研究(JARC)に関する2つの講演をさせて頂きました。学会前には高雄から2時間程度離れた、台湾のハワイとも呼ばれる最南端の墾丁で研究ディスカッションとエクスカーション(どちらかと言えばこちらが主でしたが、、、、)を行いました。2日間にわたり、台湾のWu教授、Liu先生、フランスのTadayoni教授、Caputo教授、近畿大学の日下教授とご一緒させて頂きましたが、長い時間ご一緒することで、各国の医療事情、アカデミアの現状、若手の教育、ダイバーシティやプライベートまで話が尽きず、学会のみでは得られない貴重な経験となりました。

台湾の先生方は一様に親日家で、ホスピタリティも素晴らしく、とても良い時間を過ごすことができました。この場を借りて深謝致します。(古泉英貴)

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【APAO 2024参加報告】

2024年2月22日~2024年2月25日にインドネシアのバリ島で開催された、The 39th Asia-Pacific Academy of Ophthalmology Congressに参加しました。今永先生からは「Scleral thickness determines the severity of central serous chorioretinopathy」について、宮良先生からは「Intervortex venous anastomoses and choroidal vascular hyperpermeability in CSC」について講演されました。お二人の講演はRapid Retinal Fire という各演者が4分ずつ次々に話をするスタイルで、先鋭の研究が凝縮された贅沢な90分のsessionでした。私はポスターで「Changes in scleral thickness in the acute phase of Vogt-Koyanagi-Harada disease」を発表しました。

他にも眼炎症や網膜のsessionを主に拝聴しました。感染性ぶどう膜炎は地域性があり、蚊や蛾が媒介する視神経網膜炎や眼内炎など日本では見たことのない疾患が多く面白い内容ばかりでした。医療経済的背景が異なるアジア各国の網膜剥離に対するアプローチも興味深く、pneumatic retinopexyや強膜バックル代わりの結膜下バルーンなど、より低侵襲・低コストで7-9割の網膜復位率を得られたという報告もありました。

ぶどう膜炎のシンポジウムでは、隣にお掛けになられた九大の園田先生から大変親切に講演の解説をして頂いたり(ありがとうございました!)、隣の席で講演を聞いていた台北の網膜専門医とネパールの眼内炎について一緒に驚いたり、夜は京都府立や筑波大、順天堂大の先生方と交流させて頂いたりと大変刺激的な学会でした。このような素晴らしい機会を頂き、古泉教授はじめ発表のご指導を頂いた寺尾先生、今永先生、支えてくださった医局の皆様、夫と子供達に心より感謝申し上げます。(大城綾乃)

 

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【The 47th Annual Macula Society Meeting 参加報告】

2024年2月7日~10日に米国パームスプリングスで開催されたThe 47th Annual Macula Society Meetingに参加、発表をしてきました。Macula Societyは年に一度、黄斑疾患に関する最先端の情報交換が行われるメンバー制の研究会です。コロナ禍明けということもあり、今回は日本から10名と非常に多くの先生が発表されました。いずれの発表もインパクトの高いものであり、日本の研究力の高さを十分にアピールできたと思います。また、留学中の古くからの友人が母国でキャリアを積み、このような場で再会、旧交を温めることができるのも非常に嬉しいことです。今回、群馬大学の松本英孝先生が新たに日本人最年少メンバーとして加わられたのも喜ばしい出来事でした。私自身も幸運にも9年前の42歳の時にメンバーに選んで頂き、今では年間で最も大切な会との位置付けです。若い時にメンバーに選んで頂いて最も良かったことは、同世代の新進気鋭の研究者と早くから繋がることができたことです。そこでの交流を通じて得た人脈・友情は何事にも代えがたい財産となっていますし、微力ですが日本の眼科学発展にも貢献できているように思います。日本の網膜研究は世界的に見てもかなりハイレベルであることは間違いありません。日本からもっと多くの若手がMacula Societyに参画し、一流の研究成果を世界にアピールすることで、日本の眼科のプレゼンスを示していくことを願っています。(古泉英貴)

 

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【APVRS 2023 Hong Kong 参加報告】

2023年12月8日~10日に香港で開催されたThe 16th Congress of the ASIA-PACIFIC VITREO-RETINA SOCIETYにて参加・発表をしてきました。コロナ禍もほぼ終わりを迎え、アジア諸国を中心に、大変多くの参加者で賑わっていました。

私はAPOIS-APVRS Symposium 2: Polypoidal Choroidal Vasculopathy、The Macula Society Sponsored Symposium on Central Serous Chorioretinopathyの2つのシンポジウム発表があり、準備を含め多忙でしたが、琉大眼科の皆で力を合わせて頑張った研究成果をアピールできる良い機会となりました。また、横浜市立大学の門之園教授がTano Lectureでのご講演をされ、先生が起こされた網膜硝子体手術における数々のイノベーションの偉大さを再認識し、日本人として非常に誇らしい瞬間でした。各国の顔馴染みのドクターも多く参加しており、さながら何年か振りの同窓会のような雰囲気でした。

APVRSは欧米の学会よりも英語のハードルも低く、将来海外留学や国際舞台での活躍を夢見る若い先生方にとっても、その登竜門としてお薦めします。来年はシンガポールで開催されますので、琉大の若手の先生と一緒に参加できればと思っています。(古泉英貴)

 

 

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【第4回日本眼科AI学会、第62回日本網膜硝子体学会総会参加報告】

2023年11月23日~26日、パシフィコ横浜ノースにて開催された第4回日本眼科AI学会、第62回日本網膜硝子体学会総会に参加させて頂きました。

当院からは、宮良先生が一般講演「中心性漿液性脈絡網膜症の黄斑部渦静脈吻合に関与する解剖学的因子」の発表を、古泉英貴教授が同セッションの座長、「Intravitreal Aflibercept 8mg in nAMD: Phase 3 PULSAR trial 60-Week results」の講演、フェアウェルセミナー「nAMD治療におけるバビースモの血管安定化のメカニズムと実臨床での有用性」の座長を務められました。宮良先生の演題は「The 3rd Asia Retina Congress」の優秀演題に選ばれ、同学会でポスター発表も併設して行われました。私たちの研究に対する関心の高さを認識すると共に、pachychoroidに対する関心の高さが伺い知ることができました。今回、たまたま同セッションで発表されていた古郷先生、船津先生、草田先生ともお話できましたが、皆確固たる仮説と信念を持ちそれぞれの研究を行われておりました。中心性漿液性脈絡網膜症やpachychoroidは何が原因でどのような根本治療が効果的なのか、私たちの世代でも結論は出ないかもしれませんが、今後も研究を続けるモチベーションとなりました。

第26回盛賞受賞講演では、北岡隆先生の「硝子体手術 -その変性、術式の改善・難治症例の克服を目指して-」を拝聴させていただきました。硝子体術者として、現在の硝子体手術が洗練されより安全に、治療成績も向上しているのは、北岡先生をはじめ多くの先生方が情熱を持って研究を行ってきた成果を享受しているのだと思います。また、今回は第4.5/5回「虎馬会(Trauma-Kai)」にも参加させていただき、外傷に対して多くの先生が重症な外傷症例に最適な加療を行うべく苦心しているのを知り、硝子体術者としてもまだまだやらなければならないことが多くあることを実感しています。

シンポジウムでは眼炎症性疾患に対する分子標的薬の進化、網膜色素変性に対する新しい抗炎症RP治療薬、眼悪性リンパ腫の診断と治療、後眼部感染症鑑別の重要性について拝聴できました。いずれも実臨床にとって非常に重要で自身の知識の整理に繋がりました。また、網膜硝子体ヒストリアではレジェンド級の先生方の素晴らしい研究内容を拝聴しましたが、特に国際学会の講演の重要性、日々戦いを続けられている大野京子先生のプレゼンテーションに圧倒されました。
最後に、眼科AI学会では多くの眼科以外の領域の先生の講演を興味深く拝聴しました。AIは今後の眼科領域の臨床、研究に深く関わってくる可能性があります。一方で、AIを全て信用するわけにも行かず、全ての仕事や学術活動がAIにとって変わることは考えられず、使いこなす我々が深い知識を持っていなければ、使いこなせない領域であると理解しました。私自身、AIのことを何も知らないな、と痛感しましたが、AIは取っ掛かりが難しく、、、誰か優しく教えていただける方は連絡ください。

横浜で観光もせず、学会場に籠もりきりの4日間でしたが、充実した時間を過ごすことができました。本学会に携わった全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。(今永直也)

 

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【第77回日本臨床眼科学会参加報告】

2023年10月6日〜9日に東京国際フォーラムで開催された第77回臨床眼科学会に参加して参りました。眼科1年目の私にとっては初めての学会参加であり、興奮と期待に胸を膨らませて臨みました。

当院からは古泉英貴教授の講演「Faricimab in nAMD: 2-year results from TENAYA Japan subgroup」、インストラクションコース「実践!眼底自発蛍光 加齢黄斑変性」、今永直也先生のランチョンセミナー「チャレンジ硝子体手術 視機能温存への挑戦」、愛知高明先生「結膜悪性黒色腫 16例の治療と予後」、眞榮平茉莉奈先生「抗血管内皮増殖因子薬硝子体内注射後に発症した一過性網膜中心動脈閉塞症の検討」、宮良安宣先生「中心性漿液性脈絡網膜症の黄斑部渦静脈吻合と脈絡膜血管透過性亢進所見」、新崎遥先生のポスター発表「帝王切開術後に発症したacute macular neuroretinopathyの1例」がありました。普段一緒に働いている先生方が活躍されている姿を見るて、多くの学びを得ると同時にたくさんの刺激を受けることができました。

インストラクションコースでは若手にも分かり易い講義が充実していました。白内障難症例の手術についてのレクチャーは、最近白内障手術の執刀を始めた私にとってとても勉強になる内容であり、今後の診療にすぐ活かしていきたいと思いました。興味を持っていても参加できなかった講演も多数あったため、オンデマンドでの配信も心待ちにしています。
古泉教授の一般講演ではFaricimab治療成績についての最新の知見を得ることができ、また同じセッション内のTivozanib点眼薬による加齢黄斑変性治療についての研究は初めて耳にする内容でとても驚きがありました。日々の外来では多数の患者さんに硝子体内注射を施行していますが、点眼での治療が可能になれば患者さんの負担も軽減することが予想され、とても魅力的な研究内容だと感じました。

学会後の勉強会や懇親会では他大学の先生方と交流させていただく機会もあり、会場内外で充実した時間を過ごすことができ、明日からの診療への意欲も湧いて参りました。学会長を努めて下さった筑波大学大鹿哲郎先生をはじめとする関係者の方々に感謝申し上げます。(下地拓朗)

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【第34回日本緑内障学会 参加報告】

上記学会に参加してきました。大学病院からは澤口先生と私でしたが、ちばなクリニックから北村先生が参加し、一般口演での発表を行いました。この発表は若年者におけるprimary angle closure diseaseの特徴を後ろ向きに観察したものです。会場からは屈折値(特に角膜曲率)や眼軸の変化を長期で観察するのはどうかというアドバイスをいただきました。
その他いくつか印象に残っているものを報告します。まずは偏光OCTの話です。この偏光OCTを用い線維柱帯切除術(濾過手術)後の濾過胞を撮影し、瘢痕化の程度をscar volume(mm3)と定義して検討したところ、手術成功群と不成功群とで有意差があり、術後予後予測に有効である可能性があるという。会場からは術前から瘢痕化(強角膜切開の白内障手術やその他眼科手術)を計測することにより術後予後予測ができないものかとの質問などがなされました。術前の瘢痕化の状況で術後経過が変わるのであれば,とても興味深いと思いました。
シンポジウムでは「篩状板を科学する」というタイトルで4人の講演がありました。日常の診療では篩状板の構造まで細かく診る余裕はありませんが、解剖学的特徴や実際の画像の見かた(アーチファクト)などを講演していただき、困ったときの助けになると実感しました。
その他、眼科とは直接関係はないのですが、緑内障治療開始前と開始後における患者心理からアプローチするコツを精神科の先生が講演してくださいました。ポイントは神経症性の傾向がある患者さんとそうでない患者さんとで言い方を変えること。同じことを伝えるにも言い方をポジティブにするかネガティブにするかで患者さんのとらえ方は変わってきます。通り一遍の説明ではなく、使い分けることにより患者さんが治療脱落しないように努力することがとても大切だと実感しました。通常の外来では脱落していない患者さんのみを診察しているだけで、その背景には脱落している大勢の患者さんがいることを改めて知らされました。
今回の学会は会場が微妙に離れた2か所で開催されていたことと、天候も悪かったこと、そして見たいセッションがかぶっていたこともあり、やや不完全燃焼な状態です。幸いオンデマンド配信がありますので、燃え尽きるまで参加したいと思います。(力石洋平)

 

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【第39回日本眼循環学会 参加報告】

2023年7月22日(土)・23日(日) に奈良県コンベンションセンターで開催された第39回日本眼循環学会に参加してきました。眼循環学会は全国学会でも比較的小規模の学会のおかげで、地方都市ならではの雰囲気を味わうことができます。駅からほど近い興福寺周辺でも多数の鹿がおり、奈良県の雰囲気を存分に堪能しましたが、残念ながら鹿せんべいは買えず。琉球大からは古泉教授、今永、医学科4年生の黒島長優君が参加しました。

琉球大学からは、黒島君に「滲出型加齢黄斑変性に対する抗血管内皮増殖因子療法後の患眼・僚眼の広域脈絡膜厚変化」の臨床研究の成果を発表していただきました。黒島君は琉球大学のカリキュラムである医科学研究で眼科に配属され、一般的な加齢黄斑変性とpachychoroid neovasculopathyにおける抗VEGF薬硝子体内注射後の脈絡膜変化を、広角OCTで粘り強く解析を行い、無事研究成果として学会報告できました。昨年の視能訓練士に続き、今回ついには学生にまで発表させてしまい、学会場で他大学の先生から「琉球大学はそこまで人手がいないのか?」と心配されましたが、彼の熱意と勤勉さに感銘し発表に指名したのであって、そんなことはありません。その証拠に、発表もつつがなく終了し、質疑応答も無難に答えていました。全国学会の発表で、教授クラスの質問にしっかり答える医学生という構図はとても驚きましたが、彼の勉強と発表準備の賜物であります。黒島君には自身の研究だけでなく我々の研究にも多大な貢献をしてもらい、今後も医学研究を続けてほしいと思いますし、彼のように熱意ある学生がまた来年・再来年発表してくれたら、琉球大学だけでなく学会も盛り上がるのではないかと思います。

シンポジウム1の「パキコロイド最前線!」では未だに論争が尽きないパキコロイドの病態について、ICGA、多種多様なOCT、LSFG、自律神経の評価から分子生物学的な解釈まで、様々なエキスパートの先生から多くの知見を講演していただきました。そして会場では大激論が交わされました。やはりパキコロイドの病態概念の本質を解き明かすことは、網膜脈絡膜領域での最重要課題の1つでありと痛感いたします。私の研究対象であるpachysclera理論も、当然ですがまだ全人的に受け入れられているとは言い難く、今後も更なる研究を行い、論文という形で学術的な貢献が必要であると痛感しました。また、松山賞受賞講演では滋賀医大の大路先生の講演を拝聴し、臨床上の疑問を解明することの大切さ、面白さをたくさん拝聴することができ、とても刺激を受けました。

眼循環学会はほぼ毎年参加させていただいていますが、今回も日々発達するイメージングを用いて眼循環を解き明かす、非常にエキサイティングな学会でした。最後に、黒島君の発表を快く快諾していただいた、学会長の緒方奈保子先生や事務局の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。(今永直也)

 

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【2023 IOCS Conference参加報告】

6月23日~24日にオーストリア・ウィーンで開催された2023 International Ocular Circulation Society (IOCS) Conferenceに参加・発表してきました。今回はIOCSのPresidentである名古屋市立大学名誉教授の小椋祐一郎先生にご指名頂き、“Beyond the retina”というセッションで“CSC and sclera: What we have learned so far”のタイトルで講演を行いました。今回初めての参加でしたが、規模も大きすぎず、講演後も密なディスカッションが行われ、とても素晴らしい会だと思いました。日本人の先生方も多く参加されており、医局運営などの情報交換もできたのも収穫でした。Speakers Dinnerはウィーン郊外のホイリゲ(オーストリアのワイン酒場)で行われ、カジュアルな雰囲気の中、海外の先生方とも楽しく有意義な時間を過ごすことができました。次回は2年後に開催されるとのことで、医局の先生達にも勧めてみたいと思います。(古泉英貴)

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【第93回九州眼科学会参加報告】

2023年5月26日〜28日にアクロス福岡で開催された第93回九州眼科学会に参加させて頂きました。コロナ禍も落ち着いてきたことにより、現地の発表はもちろん、懇親会も盛り上がった実りのある学会でした。
 琉球大学からは私の他に、森先生が「急性リンパ性白血病の視神経網膜浸潤に対しメトトレキサート硝子体内注射が奏功した1例」、安次嶺先生が「成人T細胞白血病患者に生じた急性網膜壊死の1例」について、モーニングセミナーで澤口先生がキヤノンS1の研究、診療への役立て方に関しての発表をされました。同期の発表はクオリティが高く刺激となり、先輩の先生の経験値に基づいた懐の深い発表は勉強になるとともに、いかに理解してもらうかと工夫する発表の姿勢を自分も吸収したいと思いました。
 福岡歯科大の大島教授の特別講演では滲出型AMDの病態と治療について抗VEGF治療とPDTの併用療法の有用性について、pachychoroidの概念も織り交ぜ最新の知見を知ることができ、これからの治療が変わることを予感させる、大変印象深い講演でした。
 古泉教授が座長を務められたたランチョンセミナー「nAMD治療の新時代-NEXT STAGE-」ではAMDの病態とリアルワールドでのファリシマブの立ち位置などのアップデートをすることができました。九眼勤務医セミナーでは、ダイバーシティ促進の観点から、女性医師のキャリア形成、出産育児の問題点の難しさ、解決することの大切さを改めて痛感しました。そのほかにも様々なセッションに参加しましたが、九州眼科学会ならではの貴重な症例から、最新の知見に基づく病態理解や治療方針、手術法など日々の臨床に役立つ話題を聞くことができました。学会の懇親会では他大学の先生方と意見交換したり、古泉教授にご招待頂いた素敵なお店で福岡の美味しい料理を楽しみながら、プライベートな話にも花が咲いた大変充実した日々でした。
 私個人としては、自身で初診から診察し、上級医の先生とともに治療に携わる事のできた「調節麻痺薬点眼後に著明な眼圧上昇を来した小児ICE症候群の1例」を自身初となるオーラルで発表をすることができ、大変貴重な経験となりました。力石先生、澤口先生を初めとする先生方のご指導のおかげであり、本当に感謝しています。日々の診療に今回の経験を活かせるよう、気を引き締めて頑張りたいと思います。 (照屋快斗)