2025年5月29日から6月1日にかけて、福岡県・アクロス福岡にて開催された第95回九州眼科学会に参加して参りました。
私は第41回緑内障カンファレンスで「水晶体嚢拡張リングにより悪性緑内障をきたした一例」という演題で初めての学会発表を行わせていただきました。初めての発表ということもあり大変緊張しましたが、多くの先生方にご助言やご質問をいただき、今後の診療・研究に生かすべき多くの学びを得ることができました。また、與那覇智基先生による「原発開放隅角緑内障に視神経周囲炎を合併したと考えられる一例」の発表は、稀な合併症例に対する診断・治療アプローチについて非常に示唆に富んでおり、深い学びがありました。
一般演題では、赤嶺もな先生の「琉球大学におけるHTLV-1関連ぶどう膜炎の臨床像」、真壁知花先生の「学童期に生じた中心性漿液性脈絡網膜症の一例」が発表されました。両先生とも、堂々とした姿勢で発表されており、質疑応答にも冷静に対応されている様子に深く感銘を受けました。
また、ランチョンセミナーでは、古泉英貴教授による「アイリーア8mgで変わるnAMD治療」、大城綾乃先生による「ぶどう膜炎診療に役立つ網膜・脈絡膜の画像評価」が開催されました。特に古泉教授のご講演では、8mgアイリーアによる治療効果について話されており、日々の診療に即した実践的な知見を得ることができました。疾患の管理に加え、患者の意欲を引き出すアプローチの重要性を再認識しました。
さらに、特別講演として行われた九州大学 総長 石橋達朗先生の「総合知で社会変革を牽引する大学へ」では、九州大学が医学部に限らず、人文社会科学、デザインなど多様な領域の知見を融合させて社会課題解決に取り組む姿勢が紹介され、非常に感銘を受けました。医療の枠にとどまらず、学問の連携による社会的意義のある活動の必要性について改めて考える機会となりました。
今回の学会参加を通じて、専門分野に関する知識の深化だけでなく、発表経験を通じた自身の成長、また他分野の知と交差することで得られる視野の拡がりを実感しました。この貴重な経験を今後の診療と研究活動に活かし、より質の高い医療の提供を目指して研鑽を重ねてまいります。
最後になりましたが、学会運営にご尽力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。(與那覇茉祐子)