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琉球大学医学部 眼科

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第5回 Okinawa Pacific Eye Conference 参加報告

2025年2月8日の「第5回Okinawa Pacific Eye Conference」に参加させて頂き、充実した学びの時間を過ごさせて頂きましたのでご報告致します。

3つの講演で構成され、幅広い分野を学ぶことができる勉強会でした。

1つ目は、群馬大学眼科の秋山教授による「眼底血管イメージングの進歩」に関するご講演でした。OCT開発の歴史から振り返り、秋山教授が眼科入局時は眼底診察のみでしたが翌年には群馬大学に日本で初めてOCTが導入され、眼底疾患の診察が急激に変遷した実体験をお話されて、興味深く拝聴しました。その後の蛍光眼底造影検査の導入、さらにOCTAの導入と続き、眼底血管イメージングを用いた症例提示も拝見しました。今後はさらに侵襲的検査から非侵襲的検査へさらに発展を遂げていくだろうという講演の締めくくりに、今後の眼科学の更なる発展を楽しみに思い感銘を受けました。

2つ目は、金沢大学眼科准教授の小林先生による「角膜内皮移植/培養角膜内皮細胞移植」に関するご講演でした。DSAEK・DMEKについてこれまでの技術発展の経緯、また小林先生が開発された手技や手術器具について学ばせて頂きました。また、小林先生は手技や器具の開発時は一つ一つ必ず論文化されるとのことで、そのことについても感嘆しました。近年イスラエルで開発されたアクリル素材の人工角膜内皮(Endoart®️)、日本で開発に注力されている培養ヒト角膜内皮細胞(ビスノバ®️)という、最新の角膜内皮移植についてもご教授くださり、会場全体が惹き込まれているのを実感しました。今後の角膜内皮移植は、これまでの常識から色々覆るような治療になるのではないか、と高揚致しました。

3つ目は、国立成育医療研究センター眼科診療部長の仁科先生による「乳幼児の眼振」に関するご講演でした。乳幼児の眼振と聞くと、鑑別が難しく少し腰がひけてしまうかと思いますが、仁科先生は実際の動画を用いた症例提示をしながら分かりやすく解説してくださりました。特発性のものから、全身的な神経疾患、眼底疾患、先天緑内障と多岐に渡る原因があると学ばせて頂き、小児眼科診察の重要ポイントを学ぶことができました。また、仁科先生は小児における重篤な視覚障害をきたす難病の早期発見に尽力されているとのことで、小児科の先生への周知やホームページの作成に取り組まれているとのことでした。長年小児眼科に携わられて、現在も更なる小児眼科診療の改善に努めている仁科先生のご活動に感銘を受けました。

講演会で非常に学びの多い時間を過ごさせて頂いた後に、古泉先生からお声かけ頂き、慰労会に私も参加させて頂きました。ご講演くださった著名な先生方と同席させて頂き大変恐縮致しましたが、皆様非常に気さくにお話ししてくださりました。また先生方のお話は、群馬大学の清水先生、岸先生、慶應大学の根岸先生といったご高名な先生方が登場する舌を巻いてしまうエピソードがいっぱいでした。

また私は日本眼科学会若手医師国内交流プログラムにて、3月に国立成育医療研究センターへ研修に行かせて頂く予定ですので、非常にタイミングよく仁科先生にご挨拶させて頂き、またお話することができた非常に貴重な機会でした。仁科先生が優しくお話してくださり、緊張しつつも3月の研修が非常に待ち遠しくなりました。

講演会での学び、慰労会での交流と、とても充実した時間を過ごすことができました。ご講演くださった秋山教授、小林先生、仁科先生、座長の古泉教授、責任者の知念先生、共催の千寿製薬株式会社の皆様へ、厚く御礼申し上げます。(眞榮平茉莉奈)

 

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琉球大学病院が移転・開院しました!

2025年1月6日に待望の新しい琉球大学病院が宜野湾市に移転・開院しました。心機一転、診療・教育・研究に一丸となって邁進して参ります。個人的にも偶然自身の誕生日とも重なり、大変想い出深い日となりました。今後とも琉大眼科チームを何卒宜しくお願い致します。(古泉英貴)

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第63回日本網膜硝子体学会参加報告

【第63回日本網膜硝子体学会参加報告】

2024年12月6日から8日にかけて大阪国際会議場で開催された第63回日本網膜硝子体学会に参加して参りました。
当院から参加した寺尾信宏先生による教育セミナー講演、「パキコロイド疾患:中心性漿液性脈絡網膜症、focal choroidal excavationなど」では、pachychoroid関連疾患について最新のtopicを交えて詳しく紹介されており、知識を系統立てて学習することができました。 pachychoroid関連疾患に関する理解がさらに深まり、今後の診療に非常に役立つ内容でした。

私自身も「中心性漿液性脈絡網膜症に対する光線力学療法後に続発性黄斑円孔を認めた2例」という演題で初めてポスター発表を行わせていただきました。多くの先生方から貴重なご質問、ご意見をいただき、この研究をさらに深めるための重要なフィードバックを得ることができました。今回の経験は、自身の研究を進める上で大きな糧となりました。寺尾先生をはじめ、指導に携わっていただいた先生方に感謝申し上げます。

古泉教授が座長を務められた、安川力先生の講演「実臨床経験から考えるnAMDの長期マネジメント」もとても印象的な内容でした。喫煙がnAMDの進行リスクを高めることを患者に効果的に伝える重要性が勉強になりました。また、治療と同様に予防の観点が非常に重要であること、さらには患者のモチベーションを高めるために、免許更新を視力維持の目標にする治療計画の提案など、非常に実践的で参考になる内容が多く含まれていました。このような治療の工夫が患者との信頼関係構築にもつながると感じ、日々の診療に取り入れていきたいと考えています。

さらに、シンポジウム「未来医療を作るデータサイエンス〜若手研究者の挑戦と革新〜」では、データ解析の重要性がますます高まる中、若手研究者の育成プログラムについての報告が印象的でした。このプログラムにはデータ解析の技術習得だけでなく、プレゼンテーション作成や論文執筆のスキルを磨く内容も含まれており、非常に充実しやりがいのあるものであると感じました。また、専門分野や居住地を超えたチームが熱意を持って取り組む姿勢に深い感銘を受け、自身も学ぶべきことが多いと感じました。

古泉教授、寺尾先生、視能訓練士の佐保さんと共にバスク料理店で夕食をいただく機会も設けていただきました。非常に美味しい料理を堪能しながら、学会の内容だけでなく、さまざまな話題で楽しい時間を過ごすことができました。学びとリフレッシュを得ることができ、特に印象深いひとときとなりました。

今回の学会参加を通じて、網膜硝子体分野に関する最新知識を深めるだけでなく、研究や臨床においての成長を促す多くの刺激を受けました。今回得られた貴重な経験を胸に、より良い研究、診療を提供できるよう精進してまいります。(下地拓朗)

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17th Congress of Asia-Pacific Vitreo-Retina Society (APVRS 2024) 参加報告

2024年11月22日~24日にシンガポールで開催されたAPVRS 2024に参加してきました。今回もシンポジウムでの発表、座長、会議と毎日多忙でしたが、各国の友人達とも再会でき、とても充実していました。

今回、自身のことよりも特に印象に残ったのが日本の若手の活躍です。発表でも積極的に質疑応答に加わり、Gala Dinnerでも進んで交流を深めている姿を見て、とても感慨深いものがありました。個々の意識の高さはもちろんですが、日眼のYoung Ophthalmologists Committee (YOC)での啓蒙活動や、網膜硝子体学会でのLeadership Development Program (LDP)などの取り組みが少しずつ芽を出していることを実感した次第です。自身も組織の枠を超えて、日本の若手が世界に飛び出していくことを見守り、できればその架け橋となれることを願っています。

また、先日まで琉大眼科で研修をされていたJose Chua先生(Jom先生)も若手シンポジウムで堂々と発表されていました。来年は彼のホームグラウンドであるフィリピン・マニラでの開催ですので、再会できるのを今から楽しみにしています。(古泉英貴)

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The 65th Annual Meeting of the Ophthalmological Society of Taiwan 参加報告

2024年11月15日~16日、台湾・台北の台北南港展覽館 2 館で開催されたThe 65th Annual Meeting of the Ophthalmological Society of Taiwanに参加し、発表の機会をいただきました。本学会では、2024年の日本眼科学会(JOS)International Young Investigator Symposiumでご一緒させていただいたYu-Ting Hsiao先生からご招待を受け、YO Symposiumにて「Central Serous Chorioretinopathy and the Sclera」と題した講演を行いました。

YO Symposiumでは、香港のEmily Suhan Wong先生による網膜芽細胞腫の生存率に関する社会経済的および医療要因の関連についての系統的レビューとメタアナリシス、台湾の先生方による保存角膜を用いた研究、眼内視鏡を活用した硝子体手術、自己免疫疾患関連ドライアイの検討など、多岐にわたる講演を拝聴しました。これらを通じて、台湾の眼科学の学術レベルの高さを実感しました。さらに、Retina Symposiumでは、家族性滲出性硝子体網膜症に対する硝子体手術、Pachychoroid Neovasculopathy(PNV)に対する抗VEGF療法の治療成績と課題、ヘリコバクター・ピロリ菌がぶどう膜炎に与える影響、未熟児網膜症の原因遺伝子探索など、幅広い内容の発表が次々と行われ、非常に充実した時間を過ごしました。

学会以外では、Yu-Ting Hsiao先生とEmily Suhan Wong先生とともに食事をし、台湾および香港の眼科医療の現状や、それぞれの先生方の研究内容について多くの情報交換を行いました。同年代(私が一番年上でしたが)の先生方が、研究だけでなく臨床にも精力的に取り組んでいる姿勢に大きな刺激を受けました。この経験を通じて、私自身も日本からアジア、さらには世界をリードするような研究成果を発信していこうと改めて決意を固めました。

最後に、このような貴重な機会を与えてくださった台湾眼科学会の関係者の皆様、特に講演の場を提供してくださったYu-Ting Hsiao先生に心より感謝申し上げます。(今永直也)

 

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第 78 回日本臨床眼科学会参加報告

2024 年 11 月 14 日から 11 月 17 日に京都国際会館で開催された日本臨床眼科学会に参加してきました。

当院からは寺尾信宏先生のランチョンセミナー「知れば知るほど使いたくなる!OCT/OCTA の活かし方」、宮良安宣先生の一般講演「ステロイド起因性中心性漿液性脈絡網膜症における渦静脈吻合と脈絡膜血管対称性」、安次嶺僚哉先生の一般講演「水晶体融解性ぶどう膜炎」の発表がありました。一般講演の宮良先生、安次嶺先生は各分野のベテランの先生方からの質疑にも堂々と対応されており感銘を受けました。後日オンデマンド配信のみのセクションではございますが教授の古泉英貴先生のインストラクションコース「実践、眼底自発蛍光」も予定されており、受講できるのを楽しみにしております。

臨眼は眼科学の幅広い演題が集まり、一般講演のみならずシンポジウム、インストラクションコースやランチョンセミナーなど様々なプログラムが用意されていました。非専門医向けの講演も多数あり、眼科一年目の私にとっても非常に勉強になりました。残念ながら満員のため受講できなかった講演や興味のある講演の開催時間が重なったために受講を見送ったものもあるので、後日のオンデマンド配信を是非聴講したいと思います。

赤坂島崎眼科/東京歯大の島崎潤先生の特別講演「角膜の外科治療の進歩と課題」では角膜移植の術式の進化や難治性角膜疾患に対する治療の取り組みから今後の角膜領域の展望まで知ることができ非常に勉強になりました。当院では角膜疾患への外科的治療は行っていないため、学会参加することで普段の診療の中では出会う機会の少ない領域についての知見を得る機会となり、非常に興味深く有意義な時間となりました。

最後にはなりますが、学会長の外園千恵先生をはじめとした本学会の運営に関わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。今回参加した学会を通して学んだことを毎日の診療に取り入れて活かしていきたいと思います。また、私と同じく若手ながら意欲的に発表していた先生方のように精進してまいります。(赤嶺もな)

 

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EURETINA 2024 参加報告

2024年9月19日~22日にスペイン・バルセロナで開催されたEURETINA (European Society of Retina Specialists) 2024に参加・発表させて頂きました。私は会期中のWorld Retina Day Symposium「Japanese Retina & Vitreous Society – Pachychoroid/Central serous chorioretinopathy, East & West」にてinvited speechを行いましたが、多くの聴講者が参加して活発な質疑応答があり、この分野の世界的な注目度の高さが伺えました。

シンポジウム全体を通しての印象ですが、近年の画像診断技術の進歩により、CSCを初めとするパキコロイド関連疾患はまず渦静脈鬱滞がベースとなり、そこに様々なステップが加わることで病状が進行するという考え方は、既に世界的にもコンセンサスが得られているようでした。CSCの治療に関してはPDTが現状最も理に叶っていることは間違いありませんが、欧米では特にベルテポルフィンの不足が問題となっているようで、日本にいる我々とは少々空気感が異なるようでした。特筆すべきこととして、海外演者の講演においても非対称性渦静脈拡張、脈絡膜血管吻合、強膜肥厚といった日本発の新規知見を基にストーリーが展開されていたのが印象的で、これからも同分野の病態解明、最適治療開発、予防法確立は日本がリードして強力に推進していくべきであると感じた次第です。

また今回のEURETINAでは大野京子先生(東京医科歯科大学)がEuretina Lecture、坂本泰二先生(鹿児島大学)がKreissig Lectureでの受賞講演をされ、いずれも本当に感動的なご講演で、日本人として非常に誇らしい瞬間でした。このような貴重な機会を頂いた関係各位の皆様に厚く御礼申し上げます。(古泉英貴)

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第40回日本眼循環学会 参加報告

2024年7月19日(金)から20日(土)に福島で開催されました日本眼科学会総会に参加報告してきました。眼循環学会は、眼循環に係るすべての眼疾患が対象の学会です。最近ではOCTAやレザースペックルフローグラフィーの研究が増えたことで、以前は加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜血管病変の演題が中心でしたが、今回の学会では緑内障、視神経疾患、ぶどう膜炎などの発表もみられるようになってきました。今後ますます分野を超えて発展していく学会だと感じられました。

本学会では琉球大学から嬉しい報告が二つあります。まず、助教の今永直也先生が第7回日本眼循環学会若手奨励賞を受賞されたことです。受賞講演として、「強膜断層像に着目した中心性漿液性脈絡網膜症の病態解明」について発表されました。内容は中心性漿液性脈絡網膜症における脈絡膜循環障害に強膜肥厚が関連している可能性、さらに病状の遷延や重症化にも強膜肥厚が関連している可能性について、自身の多くの論文内容を集約した発表でした。世界的にも非常に重要な研究成果として認められているとともに、いまだ解明されていないパキコロイド病態の鍵となりえる可能性を秘めていることがわかる素晴らしい発表でした。次は、大学院生の宮良安宣先生の一般口演「中心性漿液性脈絡網膜症における黄斑部渦静脈吻合に関与する臨床的特徴と遺伝的背景」が優秀演題に選出されたことです。この発表では、中心性漿液性脈絡網症における渦静脈うっ滞の特徴とされる黄斑部渦静脈吻合の形成に強膜肥厚が関連していているという内容でした。非常に難しい研究テーマであり、同じ研究分野での先生でも少し理解するのに時間を要する内容でしたが、非常に簡潔にわかりやく発表することができたのが勝因だと思います。同じ研究グループとして非常に誇らしく、また嬉しく感じる瞬間でした。今永先生、宮良先生おめでとうございます。

学会では、シンポジウム1「パキコロイドの病態~ズバリ私はこう考える」では、いまだ解明されていないパキコロイド病態について、演者自身の考えを自由に述べて、それについて全員で議論していくという趣向のシンポジウムでした。琉球大学からは寺尾信宏が代表として、強膜肥厚に伴う渦静脈うっ滞という観点からパキコロイド関連疾患、特に中心性漿液性脈絡網膜症の病態理解について、研究グループの考えを発表しました。演者間だけでなく、フロアからも活発な議論が飛び交い、非常に活気ある有意義な内容で、これぞ眼循環学会という雰囲気でした。

来年も眼循環学会には参加すると思いますが、今年に負けない演題を準備できるように、日々の臨床、研究に励みたいと思います。(寺尾信宏)

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第40回日本眼循環学会「優秀演題賞」受賞報告

2024年7月19日・20日に福島県郡山市で開催された第40回日本眼循環学会において、一般講演(口演)で発表した「中心性漿液性脈絡網膜症における黄斑部渦静脈吻合に関与する臨床的特徴と遺伝的背景」が優秀演題賞を受賞することができました。

今回の研究は共同研究者および指導教員の多大な協力と支援により実現しました。遺伝子解析に関しては京都大学の協力がなければできない研究でした。共同演者である京都大学の辻川明孝教授、三宅正裕先生、森雄貴先生には本当に感謝しております。

初めて眼循環学会に参加したのは2年前の2022年に富山県で開催された第38回日本眼循環学会でした。その時には同じ琉球大学病院で働く、視能訓練士の冨山亜希子さんが優秀演題賞を受賞されました。同じ職場で働くスタッフが素晴らしい発表を行い、優秀演題賞を受賞したことに大変感銘をうけたことを今でも鮮明に覚えています。今回、自分も同じ賞を受賞できたことを大変うれしく思います。最初から最後までご指導いただきました寺尾信宏先生、今永直也先生に大変感謝しております。また、このような発表の機会を与えてくださった古泉英貴教授に大変感謝いたします。

今後も研究を続けて、今回の受賞に恥じないよう努力してまいります。また、後輩たちが同じような賞を受賞できるよう、自分も力になれたらと思います。(宮良安宣)

 

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第7回日本眼循環学会学会賞「若手奨励賞」受賞報告

この度、第7回日本眼循環学会学会賞「若手奨励賞」を受賞し、第40回日本眼循環学会にて受賞講演をさせていただきましたことをご報告いたします。令和5年度日本眼科学会学術奨励賞に続き、このような栄誉ある賞をいただけたことを大変嬉しく思います。

本研究は、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)における脈絡膜異常および脈絡膜循環障害が、厚い強膜によって発症し、CSCが厚い強膜により遷延する可能性を示しました。CSCの病態に厚い強膜が影響することを多数報告し、これによりCSCおよびパキコロイド関連疾患の新たな病態理解と、強膜へのアプローチが病態に即した疾患予防および治療戦略の一助となりうる可能性を示しました。

本学会におけるシンポジウム1「パキコロイドの病態~ズバリ私はこう考える~」では、パキコロイドの病態や原因、脈絡膜血管構造や強膜の関与について激論が交わされました。パキコロイドに対する強膜の影響について否定的な意見も多数いただき、我々の研究が評価される一方で、まだまだ論理的な裏付けや検証が不足していることを強く感じました。今後もパキコロイドに対する強膜の関連について、質の高い報告を重ねる必要があり、また他のアプローチからも脈絡膜における強膜の影響を勘案していく必要があると再認識しました。

学会や懇親会では、多数の先生方から激励の言葉をいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。学会の翌日から懲りずに多数の硝子体手術を行いましたが、これからも手術と臨床研究の二刀流で邁進していく所存です。

最後に、厳しくも暖かくご指導いただいた古泉英貴教授、寺尾信宏先生、琉球大学網膜硝子体グループの先生方、視能訓練士の方々、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。また、このような機会を与えてくださった眼循環学会主任代表理事の石田晋先生、学会長の石龍鉄樹先生、眼循環学会の理事の先生方に深く感謝申し上げます。今後もパキコロイドの病態解明、診断、治療に迫る臨床的研究に取り組んで参ります。(今永直也)