【令和5年度日本眼科学会学術奨励賞(JOS Young Investigator Award)受賞報告】

琉球大学医学部 眼科

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【令和5年度日本眼科学会学術奨励賞(JOS Young Investigator Award)受賞報告】

この度、令和5年度の日本眼科学会学術奨励賞を受賞する栄誉を賜りました。琉球大学眼科学講座としては初の快挙であり、大変光栄に思います。日本眼科学会会長の大鹿哲郎先生、第128回日本眼科学会総会の村田敏規先生、選考委員の皆様に深く感謝申し上げます。

本研究は、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)の患者における強膜の厚さとその臨床的意義を明らかにしました。正常眼と比較して、CSC患者の強膜が顕著に厚いことが判明し、厚い強膜が脈絡膜の血流障害を引き起こす可能性があることを示しました。この発見は、CSCの病態理解を深める上で新たな突破口となり、その成果が評価されたことを嬉しく思います。

研究の推進に際しては、古泉英貴先生と寺尾信宏先生から特別なご支援と指導を賜りました。古泉先生には研究手法の確立と論文執筆の指導を、寺尾先生からは研究コンセプトの洗練とデータ分析に関する深い洞察をいただきました。また、ミーティングで多くのディスカッションを行ってくれた網膜硝子体グループの先生方、データ収集に尽力してくれた視能訓練士の皆さま、そして夜遅くまで一緒に研究に取り組んでくれた大学院生の後輩たちに心から感謝しています。

また、The International Crosstalk Symposium by Young Ophthalmologistsにおいては、多くの同年代の先生方と発表を共有できました。先生方の中には、多数の国際学会で発表されている先生や、留学先で基礎研究を精力的に行っている先生もおり、非常に刺激を受けました。また、歴代受賞者一覧をみると錚々たるメンバーであり、同期や先輩研究者たちの足跡を見るにつけ、自分の未熟さを痛感しています。これからもこの研究を礎にして、さらなる知見の拡大と臨床への応用を目指し、精力的に研究活動を続けていく所存です。

最後に、本研究を支えてくれた全ての関係者、特に共に研究を進めてくれたチームメンバーに最大の感謝を表します。今回の受賞は私一人の功績ではなく、多くの支援と協力があってのことです。これからも探求心を持ち続け、眼科学のさらなる発展に寄与できるよう努力して参ります。(今永直也)