【第34回日本緑内障学会 参加報告】

琉球大学医学部 眼科

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【第34回日本緑内障学会 参加報告】

上記学会に参加してきました。大学病院からは澤口先生と私でしたが、ちばなクリニックから北村先生が参加し、一般口演での発表を行いました。この発表は若年者におけるprimary angle closure diseaseの特徴を後ろ向きに観察したものです。会場からは屈折値(特に角膜曲率)や眼軸の変化を長期で観察するのはどうかというアドバイスをいただきました。
その他いくつか印象に残っているものを報告します。まずは偏光OCTの話です。この偏光OCTを用い線維柱帯切除術(濾過手術)後の濾過胞を撮影し、瘢痕化の程度をscar volume(mm3)と定義して検討したところ、手術成功群と不成功群とで有意差があり、術後予後予測に有効である可能性があるという。会場からは術前から瘢痕化(強角膜切開の白内障手術やその他眼科手術)を計測することにより術後予後予測ができないものかとの質問などがなされました。術前の瘢痕化の状況で術後経過が変わるのであれば,とても興味深いと思いました。
シンポジウムでは「篩状板を科学する」というタイトルで4人の講演がありました。日常の診療では篩状板の構造まで細かく診る余裕はありませんが、解剖学的特徴や実際の画像の見かた(アーチファクト)などを講演していただき、困ったときの助けになると実感しました。
その他、眼科とは直接関係はないのですが、緑内障治療開始前と開始後における患者心理からアプローチするコツを精神科の先生が講演してくださいました。ポイントは神経症性の傾向がある患者さんとそうでない患者さんとで言い方を変えること。同じことを伝えるにも言い方をポジティブにするかネガティブにするかで患者さんのとらえ方は変わってきます。通り一遍の説明ではなく、使い分けることにより患者さんが治療脱落しないように努力することがとても大切だと実感しました。通常の外来では脱落していない患者さんのみを診察しているだけで、その背景には脱落している大勢の患者さんがいることを改めて知らされました。
今回の学会は会場が微妙に離れた2か所で開催されていたことと、天候も悪かったこと、そして見たいセッションがかぶっていたこともあり、やや不完全燃焼な状態です。幸いオンデマンド配信がありますので、燃え尽きるまで参加したいと思います。(力石洋平)