2023年5月26日〜28日にアクロス福岡で開催された第93回九州眼科学会に参加させて頂きました。コロナ禍も落ち着いてきたことにより、現地の発表はもちろん、懇親会も盛り上がった実りのある学会でした。
琉球大学からは私の他に、森先生が「急性リンパ性白血病の視神経網膜浸潤に対しメトトレキサート硝子体内注射が奏功した1例」、安次嶺先生が「成人T細胞白血病患者に生じた急性網膜壊死の1例」について、モーニングセミナーで澤口先生がキヤノンS1の研究、診療への役立て方に関しての発表をされました。同期の発表はクオリティが高く刺激となり、先輩の先生の経験値に基づいた懐の深い発表は勉強になるとともに、いかに理解してもらうかと工夫する発表の姿勢を自分も吸収したいと思いました。
福岡歯科大の大島教授の特別講演では滲出型AMDの病態と治療について抗VEGF治療とPDTの併用療法の有用性について、pachychoroidの概念も織り交ぜ最新の知見を知ることができ、これからの治療が変わることを予感させる、大変印象深い講演でした。
古泉教授が座長を務められたたランチョンセミナー「nAMD治療の新時代-NEXT STAGE-」ではAMDの病態とリアルワールドでのファリシマブの立ち位置などのアップデートをすることができました。九眼勤務医セミナーでは、ダイバーシティ促進の観点から、女性医師のキャリア形成、出産育児の問題点の難しさ、解決することの大切さを改めて痛感しました。そのほかにも様々なセッションに参加しましたが、九州眼科学会ならではの貴重な症例から、最新の知見に基づく病態理解や治療方針、手術法など日々の臨床に役立つ話題を聞くことができました。学会の懇親会では他大学の先生方と意見交換したり、古泉教授にご招待頂いた素敵なお店で福岡の美味しい料理を楽しみながら、プライベートな話にも花が咲いた大変充実した日々でした。
私個人としては、自身で初診から診察し、上級医の先生とともに治療に携わる事のできた「調節麻痺薬点眼後に著明な眼圧上昇を来した小児ICE症候群の1例」を自身初となるオーラルで発表をすることができ、大変貴重な経験となりました。力石先生、澤口先生を初めとする先生方のご指導のおかげであり、本当に感謝しています。日々の診療に今回の経験を活かせるよう、気を引き締めて頑張りたいと思います。 (照屋快斗)
【第93回九州眼科学会参加報告】
琉球大学医学部 眼科
眼科ブログ
【第93回九州眼科学会参加報告】