【第38回日本眼循環学会参加報告】

琉球大学医学部 眼科

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【第38回日本眼循環学会参加報告】

2022年7月16日(土)・17日(日) に富山国際会議場で開催された第38回日本眼循環学会に参加、シンポジウムでの発表をしてきました。本来であれば2020年、オリンピックの年に富山開催が予定されていましたが、コロナ禍のため学会が延期となり、この度ようやく開催されました。私もこれまで多数の国内学会に参加してきましたが、富山県は沖縄県から飛行機、新幹線で7時間という大移動であり国内では最長の移動距離でした。琉球大からは古泉教授、澤口先生、宮良先生、視能訓練士の冨山亜季子さん、真栄田美沙さんが参加しました。

 琉球大学からは宮良安宣先生から「硝子体手術後の低眼圧により中心性漿液性脈絡網膜症を発症した2例」の症例報告、視能訓練士の冨山亜季子さんが「片眼性中心性漿液性脈絡網膜症の発症眼・未発症僚眼の脈絡膜血流」を発表されました。宮良先生はまだ2年目ですが、すでに黄斑疾患を専門にしておりpachychoroid関連疾患に対する知識も豊富であり、質問にも的確に答えていました。冨山さんは学会発表経験もほぼ無く、広い会場で共同演者としても心配していましたが、立派に発表されていました。2日ともギリギリまで研究に対する知識の取得や読み原稿の練習、質問対策などされており、やはり入念な準備がよい発表を生むのでしょう。私は人生初めてのシンポジウムを担当させていただきました。これまでの一般講演と違い時間も長く、内容も異なるものが求められ緊張しましたが、自分の研究内容を発信することができ有意義な講演でした。また、錚々たるシンポジストの方々と一緒に講演することができ、大変光栄でした。

 また、松山賞受賞講演では女子医大の飯田先生のICGAやOCTによる脈絡膜研究への情熱や歴史を伺うことができました。EDI-OCTの発表から即座に様々な知見を発表され、そのフットワークの軽さや先見性に感銘を受けました。また、若手奨励賞受賞講演では私と同年代の先生方が発表されており、とても刺激を受けました。私も自身の研究を発展させ、あるいは新しい研究により、眼科のアンメットニーズに貢献できる新規性のある研究を模索していきたいと思います。その他、一般講演やポスターではpachychoroid関連疾患や網膜血管病変のみならず、未熟児網膜症や様々な希少疾患の知見を勉強でき、有意義な時間でした。今回は琉大でも保有している超広角OCTやレーザースペックルフローグラフィーの研究が多く、今後臨床にあるいは研究に使えないか、再度検討してみたいと思います。

 そして学会の最後の最後に、冨山亜季子さんの発表が眼循環学会優秀演題賞に選ばれました。全演題中で2題しか選ばれない、非常に競争率の高い中での見事な受賞でした。これまで北海道大学と何度も共同ミーティングに参加して研究内容を理解し、多くの質の高いデータを集め、解析してくれた結果だと思います。共同演者として大変うれしく思います。冨山さん、本当におめでとうございます。(今永直也)