EURETINA 2024 参加報告

琉球大学医学部 眼科

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EURETINA 2024 参加報告

2024年9月19日~22日にスペイン・バルセロナで開催されたEURETINA (European Society of Retina Specialists) 2024に参加・発表させて頂きました。私は会期中のWorld Retina Day Symposium「Japanese Retina & Vitreous Society – Pachychoroid/Central serous chorioretinopathy, East & West」にてinvited speechを行いましたが、多くの聴講者が参加して活発な質疑応答があり、この分野の世界的な注目度の高さが伺えました。

シンポジウム全体を通しての印象ですが、近年の画像診断技術の進歩により、CSCを初めとするパキコロイド関連疾患はまず渦静脈鬱滞がベースとなり、そこに様々なステップが加わることで病状が進行するという考え方は、既に世界的にもコンセンサスが得られているようでした。CSCの治療に関してはPDTが現状最も理に叶っていることは間違いありませんが、欧米では特にベルテポルフィンの不足が問題となっているようで、日本にいる我々とは少々空気感が異なるようでした。特筆すべきこととして、海外演者の講演においても非対称性渦静脈拡張、脈絡膜血管吻合、強膜肥厚といった日本発の新規知見を基にストーリーが展開されていたのが印象的で、これからも同分野の病態解明、最適治療開発、予防法確立は日本がリードして強力に推進していくべきであると感じた次第です。

また今回のEURETINAでは大野京子先生(東京医科歯科大学)がEuretina Lecture、坂本泰二先生(鹿児島大学)がKreissig Lectureでの受賞講演をされ、いずれも本当に感動的なご講演で、日本人として非常に誇らしい瞬間でした。このような貴重な機会を頂いた関係各位の皆様に厚く御礼申し上げます。(古泉英貴)