年: 2021年

琉球大学医学部 眼科

眼科ブログ

【第60回日本網膜硝子体学会総会参加報告】

2021年12月3日~5日に東京国際フォーラムで開催された網膜硝子体学会に参加させて頂きました。琉球大学からは古泉先生、今永先生、澤口先生、愛知先生、玉城先生が参加されました。9月末まで一緒に勤務させて頂いた寺尾先生も参加され、久しぶりにお会いすることができました。幸いにもコロナ感染状況が落ち着いている期間だったので現地開催で参加することができました。私にとって初めての眼科学会参加でしたので、緊張と楽しみな気持ちで当日を迎えました。網膜硝子体学会と名前の通り、網膜専門の先生方が集結し、演題も網膜疾患について深く掘り下げた内容でした。

1日目は愛知先生、今永先生の中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)についての発表がありました。愛知先生は片眼性CSCの発症眼・未発症僚眼の強膜厚について、今永先生はCSCに対する光線力学療法後の強膜厚変化について発表されていました。現在琉球大学が力を入れて研究しているテーマについて学会の場で拝聴でき、勉強になるとともに刺激を受けました。診療を通して得られた結果をこのように発表して、新たな知見として認識されるようになる過程を肌で感じることができました。

2日目はモーニングセミナーで古泉先生がOCT-S1の魅力と可能性についてレクチャーしてくださりました。実際に琉球大学で撮影された症例を振り返りながら機械の特性と、検査に適した疾患について分かりやすく解説して下さりました。忙しい日常診療にすぐに活かせる学びの多いレクチャーでした。

また、2日目で特に印象に残っているのは、第60回記念企画である「レジェンドからのメッセージ」でした。網膜硝子体研究および診療の発展に多大な功績を残された三宅養三先生、竹内忍先生、岸章治先生、石橋達朗先生がご登壇されました。三宅養三先生は研究について「運・鈍・根」という言葉で語られました。おもしろい研究にたどりつくヒラメキを得る「運」にたどり着くには、辛抱強く「鈍・根」で耐える過程が重要である、というお言葉でした。私が医学を学び始めた頃には、教科書に掲載され誰もが知っている網膜電図を世界で初めて発表された三宅先生のお言葉を直接拝聴できるまたとない機会でした。私自身の仕事においても辛いことがあればこの言葉を思い出そうと、感銘を受けました。

3日目は古泉先生が座長を務められた、網膜硝子体疾患の画像診断について教育セミナーがありました。寺尾先生がOCTについてレクチャーしてくださりました。OCTについて日常診療でよく遭遇する疾患について具体的な症例を多くあげてとても分かりやすく充実した勉強の機会となりました。 3日間という長いようであっという間の充実した学びの期間でした。日中はたくさんの講演を拝聴し刺激を受け、夜には懇親会で先生方と交流を深めることができました。とても楽しく充実した初めての学会参加でした。このような機会をいただけたことに感謝し、これからの診療も精進して参りたいと思います。(眞榮平茉里奈)

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【第75回日本臨床眼科学会参加報告】

2021年10月28日~31日、福岡市で開催された第75回日本臨床眼科学会に参加させて頂きました。コロナウイルスの流行がようやく落ち着き始めたため、今回現地にて参加する事が出来ました。琉球大学眼科からは、大城綾乃先生、愛知高明先生、今永直也先生、古泉英貴教授も参加されました。

 臨床眼科学会は様々な専門分野の先生方が集まり、インストラクションコースなど若手にも分かり易い講義が盛り沢山であるため、とても楽しみにしていました。初日から、白内障手術における患者満足度を上昇させるためのインストラクションコース、ランチョンセミナーでは、日常診療に役立つ遺伝性網膜疾患の基礎を勉強できました。メインは大城綾乃先生と今永直也先生の発表で、お二人とも堂々とした発表と、その分野でご活躍されている先生方との白熱した討論で会場を盛り上げていました。身近な先生方のその様な姿を見て、とても刺激になりました。

 2日目は、朝早くからモーニングセミナーを聞いた後、古泉教授をはじめ、加齢黄斑変性を専門とする先生方のシンポジウムがありました。古泉教授は『抗VEGF薬治療の多施設研究』を発表されました。加齢黄斑変性の治療変遷や日本、アジアでの萎縮型加齢黄斑変性の多施設研究など、多くの最新知見が得られました。ランチョンセミナーで日常診療に潜む診断や落とし穴を勉強し、機械展示で最新の機器に触れた後、古泉教授が座長を務めるパキコロイド関連の発表を聞きました。CSCをはじめ、病態の解明に注目が集まる今、様々な切り口の研究に触れることが出来、大変興味深かったです。イブニングセミナー『激論 勤務医のそこまで言っていいんかい ! 』では、古泉教授と九州大学の園田康平教授から、それぞれの歴史や医局での取り組みなどの熱い思いを聞けました。お二人とも海外で研究され、有意義な時間を過ごし、そして研究は人生を豊かにするという言葉がとても心に響きました。また園田教授が、忙しい時は一つづつ向き合うんだと仰っており、どんなに忙しくても毎日一つづつ、少しでも自分を高めながら将来に向け努めていこうと思いました。

 3日目は、招待講演での山形大学の嘉山孝正先生のご講演を拝聴し、導出だけでなく論証をし、きちんと自分の頭で考えることの大切さを改めて意識しました。午後のインストラクションコースの『眼底自発蛍光を使いこなす』では、自発蛍光の原理や使い方をはじめ、網膜ジストロフィ、加齢黄斑変性症の前駆病変であるドルーゼン、ぶどう膜炎など様々な疾患での自発蛍光のポイントを学びました。角田和繁先生の仰っていた様に、網膜ジストロフィでは自発蛍光が診断に必須の事も多いため、日常診療で自発蛍光を活用し診断のヒントにしていこうと思いました。

 4日目は、私の発表をさせて頂きました。網膜色素線条と原田病の合併例に関する症例報告で、緊張しましたが、無事発表を終えることが出来ました。その場で発表する事は、眼科に入局後初めてでしたが、良い緊張感でとても刺激的でした。

 4日間、本当に朝から夕方まで、多くの事を学び、とても充実した日々を過ごせました。北海道大学の南場研一先生、九州大学の園田康平教授、東京医療センターの角田和繁先生など、多くの高名な先生方ともお話することができ、とても感動し、今後のモチベーションへと繋がっております。本当に有難うございました。最後になりますが、学会長の坂本泰二教授をはじめ、開催に携われた関係各所の皆様方におかれましては、昨今の状況の中での開催となり大変なご苦労だったかと存じます。素晴らしい講演をいくつも拝聴することができ、大変感謝しております。今回学んだことを日々の診療に活かし、また、将来に向けより一層精進していきたいと思います。(我謝 朱莉)

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【第32回日本緑内障学会参加報告】

2021年9月10日~12日に国立京都国際会館で開催された第32回日本緑内障学会に参加させて頂きました。今回、現地開催とWeb開催を併用するハイブリッド開催となりましたが、コロナウイルス感染拡大の現状を鑑み、Webでの参加とさせて頂きました。

 初日は通常の業務があったため、残念ながら少ない時間しか参加できませんでしたが、琉球大学病院眼科の先輩である北村優佳先生の口演を拝聴することができました。日々共に診療に励む先生が堂々と発表する姿は、とても刺激になりました。

 2日目、3日目は時間をとって様々な講演を拝聴することができました。以前、琉球大学病院でも診療されていた酒井寛先生による原発閉塞隅角病についての講演をはじめ、緑内障の診断や治療についての教育セミナーや専攻医・コメディカル向けのプログラムが充実しており、大変勉強になりました。OCTは網膜神経線維層欠損の検出に優れていますが、それだけに頼ってしまうと誤診が増えること、乳頭出血や色調陥凹解離などOCTでは認知できない重要な検眼鏡的所見があることなど、今までの診療を振り返り今後の診療に活かせる内容が多くありました。時間の関係上、どうしても拝聴することができなかった講演もありましたが、今後オンデマンド配信も予定されているため、配信されるのを今か今かと心待ちにしております。

 最後になりますが、学会長の相原一教授をはじめ、開催に携われた関係各所の皆様方におかれましては、昨今の状況の中での開催となり大変なご苦労だったかと存じます。素晴らしい講演をいくつも拝聴することができ、大変感謝しております。今回学んだことを日々の診療に活かせるよう、精進していきたいと思います。(宮良安宣)

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【第125回日本眼科学会総会参加報告】 

 2021年4月8日〜11日に大阪国際会議場で開催された第125回日本眼科学会総会に参加させて頂きました。私個人としては入局してから初の現地開催の学会参加となりました。コロナ感染拡大が危惧される中でしたが、多くの実りある時間を過ごすことができました。
 初日にはCSCに関する一般講演を拝聴しました。当科から今永直也先生が『CSCの強膜厚と脈絡膜構造』という演題で発表されており、現在当科がCSCにおいて注目している強膜厚に関して新規の知見を報告されました。
 古泉教授と五味教授がオーガナイザーを務められたシンポジウムは、現在注目されているPachychoroid関連疾患に関して、大家の先生方をお招きした講演でした。当科からは寺尾信宏先生が『Pachychoroidのサイトカイン動態』について講演されました。Pachychoroid関連疾患の前房水からサイトカインを抽出し、その動態を調べた研究でした。労力を要する研究をコツコツと積み上げていくことの大変さに思いを馳せると同時に、臨床で抱く疑問を追求していくことで新たな発見を生み出す達成感が研究にはあるのだと思いながら拝聴しました。 
 最終日のモーニングセミナーでは古泉教授が講演された『滲出型加齢黄斑変性の病態と治療を再考する』を拝聴しました。Pachychoroid関連疾患とAMDの病態の違いに触れられ、そのマネージメントについても詳しく御教授頂きました。普段医局で何気なくお話させて貰っているので、学会場で注目を浴びる教授の姿は大変新鮮でした。
 この4日間で様々なセッションに参加しました。眼科医2年目の自分としては、特に白内障手術を執刀する機会も増えており、白内障関連のランチョンセミナーや教育セミナーにも参加しました。普段聞けない話が聞けて、非常に勉強になる毎日でした。また池田恒彦教授や坂本泰二教授の特別講演では、日々の疑問を突き詰めていく姿勢の重要性や、今注目されているAIの可能性なども聞けて興味深く拝聴しておりました。21世紀は人間とAIが共存し発展していくだろう、という見解に今後の医療に対する期待が膨らみました。
 今回、現地開催での学会に初めて参加させていただきましたが、至る所に感染対策の配慮がされており、安心して現地で参加することができました。学会長の高橋寛二教授をはじめ、関係各所の皆様方におかれましては、開催も危ぶまれる中で大変なご苦労だったかと存じます。また高橋教授が総会において、昨年現地開催できなかった後藤浩教授の気持ちにも触れられていたのも印象的でした。最後になりますが、多くの関係者の方々の想いが詰まった本学会に参加させて頂き、大変感謝しております。今回の経験を活かして、日々頑張っていきたいと思います。 (文責 根本蒼)