12月上旬、東京国際フォーラムで開催された IOCS(International Ophthalmic Circulation Symposium) と 第64回日本網膜硝子体学会総会 に参加してきました。今年は両学会の合同開催ということで、眼循環から網膜硝子体手術、画像診断技術まで、幅広い分野が交差する非常に密度の高い3日間でした。
私はIOCSのSession 2 “Retina: Age Related Macular Degeneration”で、「PS-OCTを用いたCSCにおける強膜複屈折の解析」について発表しました。CSCの背景にある強膜の構造的要因を掘り下げた内容で、「眼球後部の力学特性」や「加齢とコラーゲン構造変化」といった視点から、参加者の方々と活発に議論することができました。
印象的だったのは、飯田知弘先生による盛賞受賞講演。「黄斑とは何か?」という問いに40年近く向き合ってこられた先生の研究の軌跡(ICGA → OCT → 数理モデル)は圧巻で、進化・構造・機能・数理を統合する姿勢に深く感銘を受けました。若手研究者に向けたメッセージもあり、自分の研究に対するモチベーションを再確認できる時間でした。
シンポジウムでは、硝子体手術の「今と未来」に関する話題が多く取り上げられました。小切開化による低侵襲化、Heads-up Surgeryやロボット支援手術など、すでに臨床で実用され始めている最新技術に触れ、「完成された技術」だと思っていた硝子体手術が、実は今まさに進化し続けていることを実感。術者としても、変化に置いていかれないよう学び続ける必要があるなと強く感じました。
また、Spaide先生の招待講演では、超広角Swept Source OCT × 高度な画像処理 によって硝子体の三次元構造が驚くほどクリアに描出されており、網膜硝子体境界の理解がさらに深まっていることを実感しました。イメージングの領域も現在のOCTから偏光OCTやドップラーOCTなどでの新知見が次々と発表されているな、と思っていたら、学会の直後に当科の大城綾乃先生による偏光OCTを用いた急性期VKHの解析がIOVSにアクセプトされたといううれしいニュースも飛び込んできました。まさに、画像解析の進歩と臨床応用が結びつき始めている瞬間を感じた学会でもありました。
今後も、イメージング技術と病態理解をつなぐ研究をさらに深め、現場に還元できるよう努めていきたいと思います!(今永直也)






