2025年9月4日~8日にフランス・パリで開催された Euretina 2025 にinvited speakerとして参加・発表してきました。今年は25回記念大会ということで、参加者はなんと 11,000人超。名実ともに「世界最大の網膜学会」と言える盛り上がりでした。私は今回で4回目の参加でしたが、開催地が花の都パリということもあり、日本からも例年以上に多くの先生方が来られていた印象です。会場は地下鉄1号線沿いの巨大な会議場で、シャンゼリゼ通りや凱旋門といった観光名所からもほど近く、雰囲気抜群でした。
私は、坂本泰二先生(鹿児島大)、辻川明孝先生(京都大)がモデレーターを務められた “New Understanding of the Choroid” というシンポジウムに演者として参加し、 “Concept of Choroidal Congestion” をテーマに講演しました。他にも五味文先生(兵庫医大)、秋山雅人先生(九州大)、Dr. Amani Fawzi(米国)、Dr. Reiner Schlingemann(オランダ)、Dr. Enrico Borrelli(イタリア)が登壇されました。それぞれが人種差、ゲノム、動物モデル、動静脈吻合仮説、OCTA知見と多様な切り口でパキコロイドを議論し、大変内容の濃いセッションでした。広い会場にもかかわらず開始早々に立ち見が出るほどの満席で、世界的にこの分野への関心が高まっていること、また日本の研究がトップレベルにあることを改めて実感しました。自身の発表以外でも、萎縮型AMDの新規治療や、急速に進展する遺伝子治療のセッションで最新情報を得られたのは大きな成果でした。
Euretinaは開催地自体も大きな魅力で、昨年はバルセロナ、来年はウィーンです。発表があれば堂々と参加できますし、ぜひ日本の若手の先生方にも、Euretinaで「世界の眼科学」を体感していただきたいと願っています。(古泉英貴)