第63回日本網膜硝子体学会参加報告

琉球大学医学部 眼科

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第63回日本網膜硝子体学会参加報告

【第63回日本網膜硝子体学会参加報告】

2024年12月6日から8日にかけて大阪国際会議場で開催された第63回日本網膜硝子体学会に参加して参りました。
当院から参加した寺尾信宏先生による教育セミナー講演、「パキコロイド疾患:中心性漿液性脈絡網膜症、focal choroidal excavationなど」では、pachychoroid関連疾患について最新のtopicを交えて詳しく紹介されており、知識を系統立てて学習することができました。 pachychoroid関連疾患に関する理解がさらに深まり、今後の診療に非常に役立つ内容でした。

私自身も「中心性漿液性脈絡網膜症に対する光線力学療法後に続発性黄斑円孔を認めた2例」という演題で初めてポスター発表を行わせていただきました。多くの先生方から貴重なご質問、ご意見をいただき、この研究をさらに深めるための重要なフィードバックを得ることができました。今回の経験は、自身の研究を進める上で大きな糧となりました。寺尾先生をはじめ、指導に携わっていただいた先生方に感謝申し上げます。

古泉教授が座長を務められた、安川力先生の講演「実臨床経験から考えるnAMDの長期マネジメント」もとても印象的な内容でした。喫煙がnAMDの進行リスクを高めることを患者に効果的に伝える重要性が勉強になりました。また、治療と同様に予防の観点が非常に重要であること、さらには患者のモチベーションを高めるために、免許更新を視力維持の目標にする治療計画の提案など、非常に実践的で参考になる内容が多く含まれていました。このような治療の工夫が患者との信頼関係構築にもつながると感じ、日々の診療に取り入れていきたいと考えています。

さらに、シンポジウム「未来医療を作るデータサイエンス〜若手研究者の挑戦と革新〜」では、データ解析の重要性がますます高まる中、若手研究者の育成プログラムについての報告が印象的でした。このプログラムにはデータ解析の技術習得だけでなく、プレゼンテーション作成や論文執筆のスキルを磨く内容も含まれており、非常に充実しやりがいのあるものであると感じました。また、専門分野や居住地を超えたチームが熱意を持って取り組む姿勢に深い感銘を受け、自身も学ぶべきことが多いと感じました。

古泉教授、寺尾先生、視能訓練士の佐保さんと共にバスク料理店で夕食をいただく機会も設けていただきました。非常に美味しい料理を堪能しながら、学会の内容だけでなく、さまざまな話題で楽しい時間を過ごすことができました。学びとリフレッシュを得ることができ、特に印象深いひとときとなりました。

今回の学会参加を通じて、網膜硝子体分野に関する最新知識を深めるだけでなく、研究や臨床においての成長を促す多くの刺激を受けました。今回得られた貴重な経験を胸に、より良い研究、診療を提供できるよう精進してまいります。(下地拓朗)