2023年10月6日〜9日に東京国際フォーラムで開催された第77回臨床眼科学会に参加して参りました。眼科1年目の私にとっては初めての学会参加であり、興奮と期待に胸を膨らませて臨みました。
当院からは古泉英貴教授の講演「Faricimab in nAMD: 2-year results from TENAYA Japan subgroup」、インストラクションコース「実践!眼底自発蛍光 加齢黄斑変性」、今永直也先生のランチョンセミナー「チャレンジ硝子体手術 視機能温存への挑戦」、愛知高明先生「結膜悪性黒色腫 16例の治療と予後」、眞榮平茉莉奈先生「抗血管内皮増殖因子薬硝子体内注射後に発症した一過性網膜中心動脈閉塞症の検討」、宮良安宣先生「中心性漿液性脈絡網膜症の黄斑部渦静脈吻合と脈絡膜血管透過性亢進所見」、新崎遥先生のポスター発表「帝王切開術後に発症したacute macular neuroretinopathyの1例」がありました。普段一緒に働いている先生方が活躍されている姿を見るて、多くの学びを得ると同時にたくさんの刺激を受けることができました。
インストラクションコースでは若手にも分かり易い講義が充実していました。白内障難症例の手術についてのレクチャーは、最近白内障手術の執刀を始めた私にとってとても勉強になる内容であり、今後の診療にすぐ活かしていきたいと思いました。興味を持っていても参加できなかった講演も多数あったため、オンデマンドでの配信も心待ちにしています。
古泉教授の一般講演ではFaricimab治療成績についての最新の知見を得ることができ、また同じセッション内のTivozanib点眼薬による加齢黄斑変性治療についての研究は初めて耳にする内容でとても驚きがありました。日々の外来では多数の患者さんに硝子体内注射を施行していますが、点眼での治療が可能になれば患者さんの負担も軽減することが予想され、とても魅力的な研究内容だと感じました。
学会後の勉強会や懇親会では他大学の先生方と交流させていただく機会もあり、会場内外で充実した時間を過ごすことができ、明日からの診療への意欲も湧いて参りました。学会長を努めて下さった筑波大学大鹿哲郎先生をはじめとする関係者の方々に感謝申し上げます。(下地拓朗)