初めまして。2018年4月に琉球大学眼科学講座に入局した後期研修医2年目の親富祖さやかと申します。今回5月31日~6月1日まで大分市で開催された九州眼科学会に初めて演者として参加し、視力予後が不良であった猫ひっかき病の一例について症例報告をしました。発表内容について簡単にご説明いたします。
猫ひっかき病はBartonella Henselaeが原因の感染症であり、視神経網膜炎を発症し特徴的な星芒状白斑を呈する疾患として知られています。一般的に猫ひっかき病は視力予後が良好とされてますが、発表した症例は治療後の視機能の回復が困難でした。最後に視力予後が良好であった症例を比較しながら治療成績について原因と考察し、早期の抗菌薬投与とステロイド治療の2剤併用療法、あるいは早期の抗菌薬単剤投与が視力予後が良好であり、高度な網膜浮腫および中心窩沈着物による網膜萎縮が視力予後不良になると考えられたことを述べました。
一緒に学会に参加する上級医の先生方から励ましていただいたり、指導医の先生と発表前日に読み合わせしたりするなど、最後まで面倒をみてくれてとても心強かったです。おかげで無事に学会発表を終えることができました。発表に至るまで国内外の文献検索やスライド作成した際、多忙の中を夜遅くまで学会準備や指導に当たってくれた指導医の先生に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
実際に学会に参加してみたら、私が思い描いていた学会とイメージが違っていました。学会とは何年も前から眼科専門医として経験積んできた眼科医師が発表する場と思ってましたが、九州眼科学会では、私と同年代の先生方や近い世代の先輩方の発表が多く、とても内容がわかりやすく勉強になったと同時に、今後の眼科医として研鑽を積むモチベーションにもなりました。また、角膜疾患、網膜疾患、緑内障など眼科の多岐に渡る分野の講演会を選びながら学んでいくことはとても楽しかったです。学会期間中、様々な大学でご高名な先生方とお食事会でご一緒させていただいたり、最終日の懇親会でも他大学の先生方とお話しする機会にも恵まれ、手術の手技についてこの手法で手術したら上手くいくとかこの方法で手術したら治療成績が良くなったなど、上級医の先生方が気さくに教えてくれたり、また眼科医としての将来の進路についてアドバイスなどを頂けてよかったです。また学会発表の機会があればぜひ参加したいと思いました。(親富祖さやか)