年: 2024年

琉球大学医学部 眼科

眼科ブログ

【第128回日本眼科学会総会 参加報告】

4月18日から4月21日にかけて開催されました、日本眼科学会に参加致しました。
とても学びが多く充実した期間を過ごさせて頂きました。

私は4月19日から参加致しました。
4月19日午前に早速自分自身の発表がありました。今回は学術展示でのポスター発表でした。” Widefield choroidal thickness changes and injection frequency after anti-vascular endothelial growth factor therapy for age-related macular degeneration” の題名で、加齢黄斑変性患者に対する抗VEGF注射回数と広域脈絡膜厚の関連について検討した内容です。
私自身初めての加齢黄斑変性領域の研究でして、今永先生を始め指導医の先生方にご教授頂きながら作成まで取り組んできました。
今回の学会発表での質疑応答を通して、本内容の論文作成に向けて改善や深めていく点を得られましたので、今後の研究につなげていく所存です。
また、一般講演「Vogt-小柳-原田病・サルコイドーシス」セッションでの大城先生の発表を拝聴しました。偏光OCTを用いた原田病の検討ということで、新開発機器を用いての研究内容でしたので、会場の皆さんが興味を惹きつけられ質疑応答も非常に熱くなっていました。

同日、古泉先生が座長を務められ、寺尾先生が講演されるOCTAのレクチャーがありました。聴講のために会場に向かいますと、盛況のためあまりにも人が多く、すでに満員で廊下まで人があふれている状況でしたので、残念ながら拝聴することができませんでした。OCTAが、やはり現在のホットトピックであり皆さんの関心の高さが分かる状況でした。
4月20日は、日本眼科学会総会にて、若手学術奨励賞にて今永先生が受賞されました。古泉先生も受賞歴のある賞とのことで、そのような栄誉ある賞を授与されたとのことに感銘を受けました。

今回の学会参加を通して、琉球大学眼科では研究にも力を入れ、そして皆で力を合わせて連携している心強いチームであることを改めて実感致しました。
また、4月20日の夜には、古泉先生行きつけの銀座のバルにて琉大参加メンバーでお食事会を開催してくださり、美味しいお食事と、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
そして、とても感銘を受けた講演は、評議員指名講演でした。評議員指名講演とは、2年前からテーマを伝えられ、その期間で研究・発表を準備する言わば「宿題講演」であるとのことでした。

今回は3名の先生方、神戸アイセンター病院の万代先生、慶応義塾大学の栗原先生、国際医療福祉大学の後関先生による講演でした。
特に印象に残ったのは、栗原先生による講演でした。
地球の発生から生物の進化、眼という感覚器の進化のCGアニメーションで始まり、画像インパクトで観客を惹きつけました。

主に3つの研究内容を講演されており、①血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を上流で制御する低酸素誘導因子(HIF)の活性抑制物質を用いた新たな治療、②近視進行の抑制因子に関する研究、③網膜色素変性に対するキメラロドプシンを用いた遺伝子治療の研究など、最新の研究について非常に分かりやすく講演してくださりました。
栗原先生ラボでは非常に活発に研究が行われていることが活き活きと伝わり、とても刺激を受けました。

その他にも色々な先生方の講演を拝聴することができ、iPS細胞を用いたGenome based medicineの構想、サギングアイシンドロームという新たな疾患概念、Rosenfeld先生による加齢黄斑変性招待講演と、非常に多岐に渡っていました。

日本眼科学会参加を通して、日常診療から研究にわたる多分野に関して、非常に充実した学びの機会となりました。

この度の学会参加のためにご協力くださった琉大眼科医局の皆様に感謝致します。この経験を糧に、更に精進して参ります。(眞榮平茉莉奈)

 

お知らせ

【2024年 琉大眼科Academic Seminarのご案内】

診療、研究、研修内容など、現在の琉大眼科の活動について広くご紹介する、琉大眼科 Academic Seminarを今年も開催いたします。
眼科に興味をお持ちの医学部5年生、6年生、初期研修医の皆様、多くの方々の御参加を心よりお待ちしています!
大変恐縮ですが、今年度は先着30名参加の予定とさせて頂きます。

参加者皆様ひとりひとりと交流し、眼科の魅力をたくさん知って頂けるようなアカデミックセミナーを企画しております。
眼科に興味をお持ちの方は、是非お早めのお申込みをお待ちしております。
若手医師、医局長、教授の各立場で、琉大眼科医局の実際から眼科学の未来まで、ここでしか聞けないお話が聞ける、またとないチャンスです。

眼科に興味をお持ちの先生方にとって、今後の進路を決める上でもとても参考になることと思います。
詳細は下記の案内ポスターをご覧下さい。
是非、カレンダーにマークをして、足をお運び頂けますと嬉しいです。
講演会の後は、同ホテル1階のステーキハウス&バーにて、懇親会も予定しております。

医学部・大学病院・県内病院の掲示板にも添付の案内ポスターを掲示しております。
参加ご希望の方は、下記参加入力フォーム、または案内ポスターのQRコードよりご登録下さい。
参加希望を確認の上、当方より折り返しご連絡を差し上げます。

当方の準備の都合もあり、可能であれば7月6日(土)までにご連絡を頂けましたら幸いです。

その他、何かご質問などございましたら、いつでもご連絡ください。
当科への見学・研修希望なども、随時お待ちしております。

医局員一同、皆様とお会いできるのを心から楽しみにしております。

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日時:7月13日(土)18時開始
場所:JR九州ホテルブラッサム那覇

①18:00~19:00 説明会(2階多目的ホール)
②19:00~21:00 懇親会(1階 37 Steakhouse&Bar)
※先着30名参加の予定です。
※当日は、カジュアルな服装でのご参加をお願い致します。

〒900-0013 沖縄県那覇市牧志2丁目16番1号
◎モノレール美栄橋駅より徒歩5分
◎ホテル敷地内に機械式立体駐車場あり(台数制限あり)
https://www.jrk-hotels.co.jp/Naha/access/
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◆参加入力フォーム
https://forms.gle/jN2zQSYDwPjYaVVU7

◆連絡先
琉大眼科医局秘書 山城
TEL: 098-895-1180

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【2024 Taiwan Macula Society Spring Meeting 参加報告】

3月16日~17日に台湾・高雄で開催された2024 Taiwan Macula Society Spring Meetingで招待講演を行ってきました。那覇から台湾までは飛行機で1時間少しと日本本土に行くよりもずっと近く、沖縄在住の私にとってはとても有り難い立地です。台北には過去に何度か訪れてはいますが、今回訪問した高雄は半袖で過ごせるぐらい温暖で、美しく整備された港湾都市でした。

学会の内容はサージカル、メディカルの多岐にわたり、レベルの高いディスカッションが行われました。私はCSCの新しい病態と、現在国内で行っているAMD多施設研究(JARC)に関する2つの講演をさせて頂きました。学会前には高雄から2時間程度離れた、台湾のハワイとも呼ばれる最南端の墾丁で研究ディスカッションとエクスカーション(どちらかと言えばこちらが主でしたが、、、、)を行いました。2日間にわたり、台湾のWu教授、Liu先生、フランスのTadayoni教授、Caputo教授、近畿大学の日下教授とご一緒させて頂きましたが、長い時間ご一緒することで、各国の医療事情、アカデミアの現状、若手の教育、ダイバーシティやプライベートまで話が尽きず、学会のみでは得られない貴重な経験となりました。

台湾の先生方は一様に親日家で、ホスピタリティも素晴らしく、とても良い時間を過ごすことができました。この場を借りて深謝致します。(古泉英貴)

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【APAO 2024参加報告】

2024年2月22日~2024年2月25日にインドネシアのバリ島で開催された、The 39th Asia-Pacific Academy of Ophthalmology Congressに参加しました。今永先生からは「Scleral thickness determines the severity of central serous chorioretinopathy」について、宮良先生からは「Intervortex venous anastomoses and choroidal vascular hyperpermeability in CSC」について講演されました。お二人の講演はRapid Retinal Fire という各演者が4分ずつ次々に話をするスタイルで、先鋭の研究が凝縮された贅沢な90分のsessionでした。私はポスターで「Changes in scleral thickness in the acute phase of Vogt-Koyanagi-Harada disease」を発表しました。

他にも眼炎症や網膜のsessionを主に拝聴しました。感染性ぶどう膜炎は地域性があり、蚊や蛾が媒介する視神経網膜炎や眼内炎など日本では見たことのない疾患が多く面白い内容ばかりでした。医療経済的背景が異なるアジア各国の網膜剥離に対するアプローチも興味深く、pneumatic retinopexyや強膜バックル代わりの結膜下バルーンなど、より低侵襲・低コストで7-9割の網膜復位率を得られたという報告もありました。

ぶどう膜炎のシンポジウムでは、隣にお掛けになられた九大の園田先生から大変親切に講演の解説をして頂いたり(ありがとうございました!)、隣の席で講演を聞いていた台北の網膜専門医とネパールの眼内炎について一緒に驚いたり、夜は京都府立や筑波大、順天堂大の先生方と交流させて頂いたりと大変刺激的な学会でした。このような素晴らしい機会を頂き、古泉教授はじめ発表のご指導を頂いた寺尾先生、今永先生、支えてくださった医局の皆様、夫と子供達に心より感謝申し上げます。(大城綾乃)

 

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【The 47th Annual Macula Society Meeting 参加報告】

2024年2月7日~10日に米国パームスプリングスで開催されたThe 47th Annual Macula Society Meetingに参加、発表をしてきました。Macula Societyは年に一度、黄斑疾患に関する最先端の情報交換が行われるメンバー制の研究会です。コロナ禍明けということもあり、今回は日本から10名と非常に多くの先生が発表されました。いずれの発表もインパクトの高いものであり、日本の研究力の高さを十分にアピールできたと思います。また、留学中の古くからの友人が母国でキャリアを積み、このような場で再会、旧交を温めることができるのも非常に嬉しいことです。今回、群馬大学の松本英孝先生が新たに日本人最年少メンバーとして加わられたのも喜ばしい出来事でした。私自身も幸運にも9年前の42歳の時にメンバーに選んで頂き、今では年間で最も大切な会との位置付けです。若い時にメンバーに選んで頂いて最も良かったことは、同世代の新進気鋭の研究者と早くから繋がることができたことです。そこでの交流を通じて得た人脈・友情は何事にも代えがたい財産となっていますし、微力ですが日本の眼科学発展にも貢献できているように思います。日本の網膜研究は世界的に見てもかなりハイレベルであることは間違いありません。日本からもっと多くの若手がMacula Societyに参画し、一流の研究成果を世界にアピールすることで、日本の眼科のプレゼンスを示していくことを願っています。(古泉英貴)