年: 2025年

琉球大学医学部 眼科

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【FujiRetina 2025 参加報告】

2025年3月28日(金)~30日(日)に東京の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された
第4回FujiRetinaに参加させていただきました。本会は、日本網膜硝子体学会(JRVS)主催により開催され、網膜疾患の診断・治療に関する国内外の最新の知見が共有される国際学会で、今回も世界中から著名な眼科医が多数来日し、まるで海外学会に参加しているかのような国際的な雰囲気を日本国内で体感することができました。

琉球大学病院からは古泉英貴教授が「Changes in scleral thickness after half-dose photodynamic therapy for central serous chorioretinopathy: Twelve-month results」という演題を、寺尾信宏先生が「A case of macular hole after photodynamic therapy for central serous chorioretinopathy」という演題を、私宮良はポスターで「Vortex vein anastomoses and choroidal vascular hyperpermeability in central serous chorioretinopathy」という演題を発表しました。私自身の発表はポスター優秀賞を受賞することができ、大変光栄でした。

しかしながら英語でのプレゼンテーションや質疑応答においては課題も感じ、今後はより円滑にディスカッションを行えるよう、さらなる語学力と発信力の向上を目指したいと感じました。私は普段、黄斑疾患を中心に外来をしているため、今回の参加では海外における抗VEGF薬治療の実際や最新の黄斑疾患研究について学ぶことができ非常に貴重な経験となりました。また、最近では硝子体手術にも携わる機会をいただいているため、海外での硝子体手術についても術者としての視点からも拝見し知見を深めることができました。

学会中は、発表後の質疑応答やフロアとの意見交換が非常に活発で、発表者との議論にとどまらず、聴講者間での意見交換を通じても多くの知見を得ることができました。とりわけ、寺尾先生が他の先生方とディスカッションされている様子は、聞いているだけでも大変勉強になりました。著明な先生のみならず、他大学からも多くの専攻医の先生がポスター発表を行っており、若手医師にとっても発表の機会と成長の場として非常に有意義な学会であると感じました。琉球大学の専攻医においても、将来的に海外学会での発表を目指すにあたって、まずはこのような国内での国際学会で経験を積んでもらいたいと強く思いました。本学会では自身の発表という実践を通じて、多くの貴重な学びと気づきを得ることができました。海外の研究者や臨床医と同じ空間で議論できる大変貴重な経験を得ることができました。今回の経験を活かし、今後も臨床・研究の両面において精進していきたいと思います。

最後になりますが、本学会を主催された坂本泰二教授をはじめとした関係者の皆様、運営に携わったすべての方々に厚く御礼を申し上げます。(宮良安宣)

 

 

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【The Macula Society 48th Annual Meeting 参加報告】

2025年2月12日~15日に米国フロリダ州・Charlotte Harborで開催されたThe Macula Society 48th Annual Meetingに参加・発表してきました。Macula Societyは世界最高峰の黄斑研究会であり、今回私はCSCに対するPDT後の広角脈絡膜解析に関する研究発表を行いましたが、琉大眼科の一連の仕事は世界的にも高く評価されており、とても嬉しく思いました。また今回は恐れ多くもCSCのシンポジウムでパネリストにも選んで頂き、貴重な経験となりました。自身の発表以外でも、近々日本にも導入が見込まれる萎縮型加齢黄斑変性の新規治療や各種疾患への遺伝子治療の最先端の話題など、日本ではなかなか聴けない情報を多く得ることが出来、非常に収穫の多い渡航となりました。

私が幸運にもメンバーに選んで頂き、初めてMacula Societyに参加したのが2015年、今からちょうど10年前の42歳の時でした。若い時から参加できたことで顔馴染みも増え、最近はfirst nameで呼んでもらえることも多くなりました。早くから人脈形成を行うことができるだけでなく、ひいては日本の眼科学の発展につながると信じますので、国際的な舞台での活躍を夢見る若い先生こそ、是非チャレンジして頂きたいと思っています。これからも組織の壁を越えて、気概のある若手を応援していく所存です。(古泉英貴)

 

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第5回 Okinawa Pacific Eye Conference 参加報告

2025年2月8日の「第5回Okinawa Pacific Eye Conference」に参加させて頂き、充実した学びの時間を過ごさせて頂きましたのでご報告致します。

3つの講演で構成され、幅広い分野を学ぶことができる勉強会でした。

1つ目は、群馬大学眼科の秋山教授による「眼底血管イメージングの進歩」に関するご講演でした。OCT開発の歴史から振り返り、秋山教授が眼科入局時は眼底診察のみでしたが翌年には群馬大学に日本で初めてOCTが導入され、眼底疾患の診察が急激に変遷した実体験をお話されて、興味深く拝聴しました。その後の蛍光眼底造影検査の導入、さらにOCTAの導入と続き、眼底血管イメージングを用いた症例提示も拝見しました。今後はさらに侵襲的検査から非侵襲的検査へさらに発展を遂げていくだろうという講演の締めくくりに、今後の眼科学の更なる発展を楽しみに思い感銘を受けました。

2つ目は、金沢大学眼科准教授の小林先生による「角膜内皮移植/培養角膜内皮細胞移植」に関するご講演でした。DSAEK・DMEKについてこれまでの技術発展の経緯、また小林先生が開発された手技や手術器具について学ばせて頂きました。また、小林先生は手技や器具の開発時は一つ一つ必ず論文化されるとのことで、そのことについても感嘆しました。近年イスラエルで開発されたアクリル素材の人工角膜内皮(Endoart®️)、日本で開発に注力されている培養ヒト角膜内皮細胞(ビスノバ®️)という、最新の角膜内皮移植についてもご教授くださり、会場全体が惹き込まれているのを実感しました。今後の角膜内皮移植は、これまでの常識から色々覆るような治療になるのではないか、と高揚致しました。

3つ目は、国立成育医療研究センター眼科診療部長の仁科先生による「乳幼児の眼振」に関するご講演でした。乳幼児の眼振と聞くと、鑑別が難しく少し腰がひけてしまうかと思いますが、仁科先生は実際の動画を用いた症例提示をしながら分かりやすく解説してくださりました。特発性のものから、全身的な神経疾患、眼底疾患、先天緑内障と多岐に渡る原因があると学ばせて頂き、小児眼科診察の重要ポイントを学ぶことができました。また、仁科先生は小児における重篤な視覚障害をきたす難病の早期発見に尽力されているとのことで、小児科の先生への周知やホームページの作成に取り組まれているとのことでした。長年小児眼科に携わられて、現在も更なる小児眼科診療の改善に努めている仁科先生のご活動に感銘を受けました。

講演会で非常に学びの多い時間を過ごさせて頂いた後に、古泉先生からお声かけ頂き、慰労会に私も参加させて頂きました。ご講演くださった著名な先生方と同席させて頂き大変恐縮致しましたが、皆様非常に気さくにお話ししてくださりました。また先生方のお話は、群馬大学の清水先生、岸先生、慶應大学の根岸先生といったご高名な先生方が登場する舌を巻いてしまうエピソードがいっぱいでした。

また私は日本眼科学会若手医師国内交流プログラムにて、3月に国立成育医療研究センターへ研修に行かせて頂く予定ですので、非常にタイミングよく仁科先生にご挨拶させて頂き、またお話することができた非常に貴重な機会でした。仁科先生が優しくお話してくださり、緊張しつつも3月の研修が非常に待ち遠しくなりました。

講演会での学び、慰労会での交流と、とても充実した時間を過ごすことができました。ご講演くださった秋山教授、小林先生、仁科先生、座長の古泉教授、責任者の知念先生、共催の千寿製薬株式会社の皆様へ、厚く御礼申し上げます。(眞榮平茉莉奈)

 

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琉球大学病院が移転・開院しました!

2025年1月6日に待望の新しい琉球大学病院が宜野湾市に移転・開院しました。心機一転、診療・教育・研究に一丸となって邁進して参ります。個人的にも偶然自身の誕生日とも重なり、大変想い出深い日となりました。今後とも琉大眼科チームを何卒宜しくお願い致します。(古泉英貴)