2020年11月27日〜29日に福岡国際会議場で開催された第59回日本網膜硝子体学会総会に参加しました。初めての学会参加で、盛り沢山な内容に圧倒されましたが、現地に赴いてのリアルな学会の雰囲気を肌で感じることができました。
網膜硝子体関連の疾患に関する研究発表だけでなく、今後ますます注目を浴びるデータサイエンスや我が国における他施設共同研究の発表が多く、非常に刺激的でした。ランチョンセミナーでは「白熱!硝子体倶楽部―Round 4―」を拝聴しました。硝子体術者の先生方が上手くいかなかった症例に関して、文字通り白熱した議論を交わしていました。同じ症例でも様々な考え方があるのだと、改めて硝子体手術の奥深さを知ることができました。
当科からは今永直也先生が優秀演題シンポジウムにおいて、古泉英貴教授がランチョンセミナー、モーニングセミナーでご講演されました。今永先生は「Clinical factors for loculation of fluid in central serous chorioretinopathy」という演題で、loculation of fluidが強膜や脈絡膜の厚さに関連するという内容でした。新規治療法に繋がる可能性も示唆しており今後の発展が待たれます。また古泉教授のランチョンセミナーではAMD治療における抗VEGF薬の適切な使い方としてT&Eが選ばれる理由について、モーニングセミナーではAMD診療を索引するスペシャリストの3名の中でAMDの検査の進化についてご講演頂きました。大きな会場で講演される古泉教授を見て、普段から日常診療や症例検討会で教授よりご指導頂けているのはとても贅沢なことなのだと気付かされました。
その他にも田野YIA受賞講演や盛賞受賞講演、Lowenstein教授の招待講演も刺激的でした。現在自分が診療に活かしている知識も元は研究にご尽力された先生方の賜物であり、感謝すると同時に自分も日々の診療から疑問を持ち研究するマインドを高めていきたいな、と感じました。
最後になりますがCOVID-19が蔓延している中、ハイブリッド開催を取り仕切って頂いた鹿児島大学の坂本泰二教授をはじめ、開催に携わられた多くの関係者の方々に深く感謝したいと思います。会場の至る所で感染に留意した配慮がなされており、安心して現地で聴講することができました。(我謝朱莉)