新着情報一覧

琉球大学医学部 眼科

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【第33回日本緑内障学会参加報告】

2022年9月16日〜18日にパシフィコ横浜で開催された第33回日本緑内障学会に参加させて頂きました。私自身、初めての県外学会への参加及び発表であったため楽しみと緊張半々で学会に臨みました。
会場では興味深い内容の講演が目白押しであり、最新の緑内障画像診断の話や手術法による成績比較についての話等様々な講演を拝聴しました。中でも特に勉強になった事はガイドライン改訂に携わった先生方による講演です。去年、緑内障診療ガイドラインが改訂されましたが、改訂委員の先生方が実際に改訂に至った経緯や日常臨床で迷う様なテーマについて解説した講演を聞く事で、現在の緑内障診療の現状や課題について整理する事が出来ました。
私自身は「眼内レンズの嚢外固定が原因と考えられた続発緑内障の1例」について発表させて頂きました。水晶体再建術後早期の色素緑内障ではIOL支持部の脱出が原因である可能性や、そこも念頭に置いた診察・前眼部画像検査を行うべきであると発表を通して理解することが出来ました。発表にあたっては指導医の新垣先生、力石先生に何度も手直し、ご指導頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。
今学会では多くの講演を聞く事が出来た事は勿論、私と同じ専攻医の立場でありながら堂々と発表したり積極的に質問している先生もいて、私ももっと興味、関心を深めて発信していかないといけないととても刺激になりました。まだまだ大変な状況の中で、この様に現地に赴き参加できた事は非常に幸運で大変貴重な経験になりました。本学会開催の為にご尽力頂いた全ての方々への感謝を忘れず、この経験を今後の診療に活かしていきたいです。(安次嶺僚哉)

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【第38回日本眼循環学会優秀演題賞受賞報告】

2022年7月16日・17日に富山国際会議場で開催された第38回日本眼循環学会に発表で参加し、一般講演(口演)で優秀演題賞を頂くことが出来ました。今回の演題『片眼性中心性漿液性脈絡網膜症の発症眼・未発症僚眼の脈絡膜血流』は北海道大学との共同研究で、北海道大学の廣岡季里子さんと福岡国際医療福祉大学の橋本勇希さんに琉球大学まで来て頂きLSFGの測定方法を指導してもらい、何度も共同ミーティングを重ねながら形になっていきました。共同演者の北海道大学石田晋教授、齋藤理幸先生には何度もご指導して頂き本当に感謝しております。

 学会での発表は初めてだった為、会場の広さに終始緊張していましたが発表も終えることが出来安心していたところ、最後に閉会式で自分の演題と名前を呼ばれた驚きと壇上で表彰された感動は言葉で現す事のできない出来事になりました。未熟な私を支えてくれた視能訓練士同僚の真栄田美沙さん、最後まで熱心にご指導して下さいました寺尾信宏先生、今永直也先生、共同研究に参加させて頂き発表の機会を下さいました古泉英貴教授には本当に感謝いたします。

 共同演者の皆様と形にしていった研究が評価され優秀演題賞を頂けた事大変うれしく思います。今回の受賞に恥じない様これからも探求心を持って邁進していきたいと思います。(琉球大学病院 視能訓練士 冨山亜季子)

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【第38回日本眼循環学会参加報告】

2022年7月16日(土)・17日(日) に富山国際会議場で開催された第38回日本眼循環学会に参加、シンポジウムでの発表をしてきました。本来であれば2020年、オリンピックの年に富山開催が予定されていましたが、コロナ禍のため学会が延期となり、この度ようやく開催されました。私もこれまで多数の国内学会に参加してきましたが、富山県は沖縄県から飛行機、新幹線で7時間という大移動であり国内では最長の移動距離でした。琉球大からは古泉教授、澤口先生、宮良先生、視能訓練士の冨山亜季子さん、真栄田美沙さんが参加しました。

 琉球大学からは宮良安宣先生から「硝子体手術後の低眼圧により中心性漿液性脈絡網膜症を発症した2例」の症例報告、視能訓練士の冨山亜季子さんが「片眼性中心性漿液性脈絡網膜症の発症眼・未発症僚眼の脈絡膜血流」を発表されました。宮良先生はまだ2年目ですが、すでに黄斑疾患を専門にしておりpachychoroid関連疾患に対する知識も豊富であり、質問にも的確に答えていました。冨山さんは学会発表経験もほぼ無く、広い会場で共同演者としても心配していましたが、立派に発表されていました。2日ともギリギリまで研究に対する知識の取得や読み原稿の練習、質問対策などされており、やはり入念な準備がよい発表を生むのでしょう。私は人生初めてのシンポジウムを担当させていただきました。これまでの一般講演と違い時間も長く、内容も異なるものが求められ緊張しましたが、自分の研究内容を発信することができ有意義な講演でした。また、錚々たるシンポジストの方々と一緒に講演することができ、大変光栄でした。

 また、松山賞受賞講演では女子医大の飯田先生のICGAやOCTによる脈絡膜研究への情熱や歴史を伺うことができました。EDI-OCTの発表から即座に様々な知見を発表され、そのフットワークの軽さや先見性に感銘を受けました。また、若手奨励賞受賞講演では私と同年代の先生方が発表されており、とても刺激を受けました。私も自身の研究を発展させ、あるいは新しい研究により、眼科のアンメットニーズに貢献できる新規性のある研究を模索していきたいと思います。その他、一般講演やポスターではpachychoroid関連疾患や網膜血管病変のみならず、未熟児網膜症や様々な希少疾患の知見を勉強でき、有意義な時間でした。今回は琉大でも保有している超広角OCTやレーザースペックルフローグラフィーの研究が多く、今後臨床にあるいは研究に使えないか、再度検討してみたいと思います。

 そして学会の最後の最後に、冨山亜季子さんの発表が眼循環学会優秀演題賞に選ばれました。全演題中で2題しか選ばれない、非常に競争率の高い中での見事な受賞でした。これまで北海道大学と何度も共同ミーティングに参加して研究内容を理解し、多くの質の高いデータを集め、解析してくれた結果だと思います。共同演者として大変うれしく思います。冨山さん、本当におめでとうございます。(今永直也)

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【The Macula Society 45th Annual Meeting 参加報告】

2022年6月8日(水)~11日(土)にドイツ・ベルリンで開催されたThe Macula Society 45th Annual Meetingで発表をしてきました。実に2年5ヵ月ぶりの海外出張で、大学もコロナ禍以降前例がないとのことで参加を迷っていましたが、同行の先生方にも背中を押して頂き、思いきって渡航しました。ドイツ入国はワクチン接種証明のみでOK、街は9割ぐらいがノーマスクに見えました。さすがに会場ではマスク着用が義務付けられ、従来の半分ほどの参加者の印象でした。日本からは岸名誉教授(群馬大)、大野教授(東京医歯大)、近藤教授(三重大)、古泉の4名が発表しましたが、日本の研究レベルの高さやプレゼンスをアピールでき、大変有意義な時間でした。海外の多くの友人達とも久しぶりにin personで交流することができ、やはりweb学会は様々な意味で限界があることを再認識した次第です。学会の内容も素晴らしかったのですが、今回は何といっても大野教授が日本人初のGass Medalを受賞され、自分のことのように誇らしい出来事でした。今回は渡航準備の段階から4人で密に情報交換を行い、それぞれの発表の応援をし、まさに戦友のような気分でした。現地でも学術的なことだけでなく、教室運営に関しても十分に意見交換を行うことができたのも収穫でした。もう世界はポストコロナにむけて既に動き出しています。今の鎖国のような状態から一日でも早く脱却し、教室の先生方が世界に向けて羽ばたける環境づくりを行っていきたいと思います。(古泉英貴)

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【第92回九州眼科学会開催報告】

2022年5月27日~5月29日、沖縄県市町村自治会館にて第92回九州眼科学会が開催されました。今回は当科の古泉教授が学会長で、コロナ禍の影響のため3年ぶりの現地開催となり、多数の施設から現地参加してくださり賑わっていました。私自身は初めての九州眼科学会参加で、他大学の後期研修医の先生の発表や、著名な先生方のセミナーを拝聴し、とても貴重な学びの時間を過ごさせて頂きました。

5月27日は角結膜や緑内障、網膜、感染症といった多岐にわたる分野の一般演題が盛りだくさんでした。私自身も続発色素緑内障の症例について発表させて頂き、初めての現地発表でとても緊張しました。質疑応答を通して、症例についてより考察を深める貴重な経験となりました。

ランチョンセミナー、アフタヌーンセミナーでは古泉教授が座長をされ、加齢黄斑変性など網膜疾患の治療最前線について学ばせて頂きました。最近はweb講演会の開催など便利な時代ではありますが、やはり現地での講演は活発な質問やディスカッションが目の前で交わされ、とても刺激を受けました。

5月28日はセミナーや招待講演を中心とした日程でした。古泉教授が「全ての眼科医やスタッフへのメッセージ性の強い内容」とのコンセプトでプログラムを企画して下さったとのことで、私たち若手医師にも分かりやすく、そして今後の診療に実践できるような講演でした。

特に印象に残ったのは、木下茂先生による「角膜診療の過去、現在、そして近未来」というご講演でした。題名の通り、角膜治療の歴史から、今後の角膜医療の進展についてお話してくださりました。今後の角膜治療は再生医療の再ブームとのことで、自家培養角膜上皮シートなどについて実際の症例提示で分かりやすく解説してくださりました。そして、京都府立医科大学で医師主導治験が行われた角膜内皮細胞注入法については今後の治療展望についてわくわくするような内容でした。これまでの角膜移植と異なり、1人のドナー患者から1000人分の角膜内皮細胞を培養できること、拒絶反応が起こらないこと、若年者細胞を移植することによって移植後の内皮細胞数維持を期待できることなど、これまで困難であったことを実現している治療でした。木下先生が取り組まれた研究のように、「be innovative, be internationalであれ」というメッセージにとても感銘を受けました。

最終日5月29日は、14時までの日程でしたが、眼科講習会、ランチョンセミナー、教育講座と密な学習内容でした。最終日まで充実した内容が盛りだくさんで、また明日から始まる日常診療に活かしていこうと気が引き締まりました。

今回の九州眼科学会は琉球大学主催という貴重な機会であり、企画運営を中心に行ってくださった古泉教授、山内先生をはじめ、学会発表についてご指導くださった先生方、沖縄まで来てくださった多くの先生方に感謝致します。(眞榮平茉莉奈)

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【Fuji Retina 参加報告】

2022年4月23日、24日に東京虎ノ門ヒルズフォーラムでFuji Retinaが開催され、当科から古泉教授、今永先生、澤口の3名で参加致しました。昨今、日本の国際競争力の低下が指摘される中で、鹿児島大学の坂本教授の音頭で『日本が主導する国際学会』が開催され、国内に居ながらに海外学会の雰囲気が味わえる貴重な機会となりました。

 当科からは古泉教授、今永先生、澤口がe-posterで発表しました。英語での発表は初めてであり、何が何だか分からない内に終わってしまいました。古泉教授はモーニングセミナー講演とAMDのパネルディスカッションのchairも務められました。

 二日間の充実したプログラムも当然のことながら全てが英語であり、難解な部分も多くありましたが、改めて最新の情報にアクセスするのに、英語は最低限の教養なのだと実感しました。また国内の先生方の英語でのやり取りも格好良く、国際的な場でやり取りする上で日々努力されているのだと改めて尊敬の念を抱きました。

 依然として新型コロナウイルスの影響がある中での学会開催となり、鹿児島大学の坂本教授をはじめ、本学会に関係された多くの方々に深く感謝したく存じます。この学会と通して得た経験を風化させず、今後の診療や研究に臨んでいきたいと思います。(澤口翔太)

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【第126回日本眼科学会総会参加報告】

2022年4月14日から17日に大阪国際会議場で開催された第126回日本眼科学会総会に参加させて頂きました。入局してからは初めて、現地で参加させて頂きました。今までは新型コロナウイルス感染の状況もあったため、他学会はオンラインでの参加をしていましたが、今回は現地でリアルな学会の雰囲気を感じることができて素晴らしい経験となりました。

 当科からは古泉英貴教授が教育セミナー、山内遵秀先生がサブスペシャリティサンデー、今永直也先生が一般講演でご講演されました。古泉教授は「OCT読影の基本」という演題で、様々な黄斑疾患の症例をもとに、OCTの読影に関してご講演頂きました。山内先生は「最新の硝子体手術デバイス」という演題で、実際の手術動画を交えて硝子体手術デバイスに関してご講演頂きました。今永先生は「中心性漿液性脈絡網膜症の新規国際分類と強膜厚」という演題でCSCの新規分類と強膜厚の関係に関してご講演頂きました。普段一緒に仕事をしている先生方が、本学会のような大きな学会でたくさんの注目を浴びながら堂々と講演をする姿はとてもかっこよく、感銘を受けました。また、引用論文として玉城環先生の名前を聞くこともあり、当科の先生達の研究の業績を改めて感じました。

 本学会の4日間で、一般講演やランチョンセミナー、イブニングセミナー、教育セミナー、シンポジウム、特別講演・招待講演など様々なセッションに参加できました。一般講演では演者の先生だけでなく、質疑応答で会場の先生たち同士で熱い議論をしたりと、現地開催ならではの学会の雰囲気を感じることができました。各セミナーでは角膜感染症や眼光学、眼病理など、日頃なかなか聞くことのできない内容を学ぶことができました。招待講演ではベルン大学の Sebastian Wolf 先生と京都大学 iPS 研究所の山中伸弥先生の講演を拝聴しました。Wolf先生の講演はビデオ配信でしたが、山中先生は現地で直接お話を聞くことができました。その他にもたくさんの素晴らしい先生達のお話を聞くことができ、研究内容だけでなく研究に対する姿勢なども学ぶことができました。

 最後になりますが、新型コロナウイルスの影響もある中、本学会を開催して頂いた大阪大学の西田幸二教授をはじめ、開催に携わられた多くの関係者の方々に深く感謝したいと思います。至る所に感染対策の配慮がなされており、安心して現地で参加することができました。今回の経験を活かして、今後の診療や研究に精進していきたいと思います。 (宮良安宣)

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【第60回日本網膜硝子体学会総会参加報告】

2021年12月3日~5日に東京国際フォーラムで開催された網膜硝子体学会に参加させて頂きました。琉球大学からは古泉先生、今永先生、澤口先生、愛知先生、玉城先生が参加されました。9月末まで一緒に勤務させて頂いた寺尾先生も参加され、久しぶりにお会いすることができました。幸いにもコロナ感染状況が落ち着いている期間だったので現地開催で参加することができました。私にとって初めての眼科学会参加でしたので、緊張と楽しみな気持ちで当日を迎えました。網膜硝子体学会と名前の通り、網膜専門の先生方が集結し、演題も網膜疾患について深く掘り下げた内容でした。

1日目は愛知先生、今永先生の中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)についての発表がありました。愛知先生は片眼性CSCの発症眼・未発症僚眼の強膜厚について、今永先生はCSCに対する光線力学療法後の強膜厚変化について発表されていました。現在琉球大学が力を入れて研究しているテーマについて学会の場で拝聴でき、勉強になるとともに刺激を受けました。診療を通して得られた結果をこのように発表して、新たな知見として認識されるようになる過程を肌で感じることができました。

2日目はモーニングセミナーで古泉先生がOCT-S1の魅力と可能性についてレクチャーしてくださりました。実際に琉球大学で撮影された症例を振り返りながら機械の特性と、検査に適した疾患について分かりやすく解説して下さりました。忙しい日常診療にすぐに活かせる学びの多いレクチャーでした。

また、2日目で特に印象に残っているのは、第60回記念企画である「レジェンドからのメッセージ」でした。網膜硝子体研究および診療の発展に多大な功績を残された三宅養三先生、竹内忍先生、岸章治先生、石橋達朗先生がご登壇されました。三宅養三先生は研究について「運・鈍・根」という言葉で語られました。おもしろい研究にたどりつくヒラメキを得る「運」にたどり着くには、辛抱強く「鈍・根」で耐える過程が重要である、というお言葉でした。私が医学を学び始めた頃には、教科書に掲載され誰もが知っている網膜電図を世界で初めて発表された三宅先生のお言葉を直接拝聴できるまたとない機会でした。私自身の仕事においても辛いことがあればこの言葉を思い出そうと、感銘を受けました。

3日目は古泉先生が座長を務められた、網膜硝子体疾患の画像診断について教育セミナーがありました。寺尾先生がOCTについてレクチャーしてくださりました。OCTについて日常診療でよく遭遇する疾患について具体的な症例を多くあげてとても分かりやすく充実した勉強の機会となりました。 3日間という長いようであっという間の充実した学びの期間でした。日中はたくさんの講演を拝聴し刺激を受け、夜には懇親会で先生方と交流を深めることができました。とても楽しく充実した初めての学会参加でした。このような機会をいただけたことに感謝し、これからの診療も精進して参りたいと思います。(眞榮平茉里奈)

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【第75回日本臨床眼科学会参加報告】

2021年10月28日~31日、福岡市で開催された第75回日本臨床眼科学会に参加させて頂きました。コロナウイルスの流行がようやく落ち着き始めたため、今回現地にて参加する事が出来ました。琉球大学眼科からは、大城綾乃先生、愛知高明先生、今永直也先生、古泉英貴教授も参加されました。

 臨床眼科学会は様々な専門分野の先生方が集まり、インストラクションコースなど若手にも分かり易い講義が盛り沢山であるため、とても楽しみにしていました。初日から、白内障手術における患者満足度を上昇させるためのインストラクションコース、ランチョンセミナーでは、日常診療に役立つ遺伝性網膜疾患の基礎を勉強できました。メインは大城綾乃先生と今永直也先生の発表で、お二人とも堂々とした発表と、その分野でご活躍されている先生方との白熱した討論で会場を盛り上げていました。身近な先生方のその様な姿を見て、とても刺激になりました。

 2日目は、朝早くからモーニングセミナーを聞いた後、古泉教授をはじめ、加齢黄斑変性を専門とする先生方のシンポジウムがありました。古泉教授は『抗VEGF薬治療の多施設研究』を発表されました。加齢黄斑変性の治療変遷や日本、アジアでの萎縮型加齢黄斑変性の多施設研究など、多くの最新知見が得られました。ランチョンセミナーで日常診療に潜む診断や落とし穴を勉強し、機械展示で最新の機器に触れた後、古泉教授が座長を務めるパキコロイド関連の発表を聞きました。CSCをはじめ、病態の解明に注目が集まる今、様々な切り口の研究に触れることが出来、大変興味深かったです。イブニングセミナー『激論 勤務医のそこまで言っていいんかい ! 』では、古泉教授と九州大学の園田康平教授から、それぞれの歴史や医局での取り組みなどの熱い思いを聞けました。お二人とも海外で研究され、有意義な時間を過ごし、そして研究は人生を豊かにするという言葉がとても心に響きました。また園田教授が、忙しい時は一つづつ向き合うんだと仰っており、どんなに忙しくても毎日一つづつ、少しでも自分を高めながら将来に向け努めていこうと思いました。

 3日目は、招待講演での山形大学の嘉山孝正先生のご講演を拝聴し、導出だけでなく論証をし、きちんと自分の頭で考えることの大切さを改めて意識しました。午後のインストラクションコースの『眼底自発蛍光を使いこなす』では、自発蛍光の原理や使い方をはじめ、網膜ジストロフィ、加齢黄斑変性症の前駆病変であるドルーゼン、ぶどう膜炎など様々な疾患での自発蛍光のポイントを学びました。角田和繁先生の仰っていた様に、網膜ジストロフィでは自発蛍光が診断に必須の事も多いため、日常診療で自発蛍光を活用し診断のヒントにしていこうと思いました。

 4日目は、私の発表をさせて頂きました。網膜色素線条と原田病の合併例に関する症例報告で、緊張しましたが、無事発表を終えることが出来ました。その場で発表する事は、眼科に入局後初めてでしたが、良い緊張感でとても刺激的でした。

 4日間、本当に朝から夕方まで、多くの事を学び、とても充実した日々を過ごせました。北海道大学の南場研一先生、九州大学の園田康平教授、東京医療センターの角田和繁先生など、多くの高名な先生方ともお話することができ、とても感動し、今後のモチベーションへと繋がっております。本当に有難うございました。最後になりますが、学会長の坂本泰二教授をはじめ、開催に携われた関係各所の皆様方におかれましては、昨今の状況の中での開催となり大変なご苦労だったかと存じます。素晴らしい講演をいくつも拝聴することができ、大変感謝しております。今回学んだことを日々の診療に活かし、また、将来に向けより一層精進していきたいと思います。(我謝 朱莉)

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【第32回日本緑内障学会参加報告】

2021年9月10日~12日に国立京都国際会館で開催された第32回日本緑内障学会に参加させて頂きました。今回、現地開催とWeb開催を併用するハイブリッド開催となりましたが、コロナウイルス感染拡大の現状を鑑み、Webでの参加とさせて頂きました。

 初日は通常の業務があったため、残念ながら少ない時間しか参加できませんでしたが、琉球大学病院眼科の先輩である北村優佳先生の口演を拝聴することができました。日々共に診療に励む先生が堂々と発表する姿は、とても刺激になりました。

 2日目、3日目は時間をとって様々な講演を拝聴することができました。以前、琉球大学病院でも診療されていた酒井寛先生による原発閉塞隅角病についての講演をはじめ、緑内障の診断や治療についての教育セミナーや専攻医・コメディカル向けのプログラムが充実しており、大変勉強になりました。OCTは網膜神経線維層欠損の検出に優れていますが、それだけに頼ってしまうと誤診が増えること、乳頭出血や色調陥凹解離などOCTでは認知できない重要な検眼鏡的所見があることなど、今までの診療を振り返り今後の診療に活かせる内容が多くありました。時間の関係上、どうしても拝聴することができなかった講演もありましたが、今後オンデマンド配信も予定されているため、配信されるのを今か今かと心待ちにしております。

 最後になりますが、学会長の相原一教授をはじめ、開催に携われた関係各所の皆様方におかれましては、昨今の状況の中での開催となり大変なご苦労だったかと存じます。素晴らしい講演をいくつも拝聴することができ、大変感謝しております。今回学んだことを日々の診療に活かせるよう、精進していきたいと思います。(宮良安宣)